【老後2000万円問題の対策その2】iDeCo(個人型確定拠出年金)について解説【メリット・注意点】

⑤貧乏ごっこ - 4.資産運用編

今回は「iDeCo(個人型確定拠出年金)」について解説します。

私は5年間の社畜生活で2000万円の資産を作り、現在サイドFIREのような生活を送っています。
正直、5年間で2000万円の資産を作るのは簡単ではありませんでした。

しかし、20-30年と長い時間をかければかなり簡単に資産形成することが出来ます。
その方法の1つが、シンプルかつ楽な方法である「ほったらかし資産運用(つみたてNISA+iDeCo)」です。

過去記事にも記載した通り、iDeCo(個人型確定拠出年金)は老後の資産形成のための制度であり、「老後2000万円問題対策」に向いています。
参考:【シンプルかつ楽な対策】老後2000万円問題はつみたてNISA+iDeCoだけで解決!
上記記事から繋がる内容なので、上記記事から読んでいただけると分かりやすいと思います。

本記事では、iDeCo(個人型確定拠出年金)の基本(メリット・注意点)について、「老後2000万円問題対策」としての活用方法を中心に解説します。

・老後2000万円問題に不安&ストレスを抱いている方
・シンプルかつ楽な方法で、老後の不安&ストレスを解消したい方
・今よりも自由に生きたい方

必見です。

本記事の構成は、下記の通りです。

はじめに:iDeCo(個人型確定拠出年金)とは

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)とは、確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度で、加入は任意です。
最大の特徴は「運用利益が非課税になる(20.315%の税金がタダ!)」で、国民にとって非常に嬉しい制度です。

もちろん、リスク資産に投資をすることで元本割れリスクはありますが、活用しない手はないと考えています。

特定口座・一般口座、つみたてNISA、一般NISA、iDeCoの比較について、下記に簡単まとめました。

私は、老後2000万円問題に対する対策として、「つみたてNISA+iDeCoの満額活用」をお勧めします。

私は年40万円以上の投資余力がありましたが、
一般NISAではなくつみたてNISAを選択し、このつみたてNISA枠は「老後資金」として割り切って運用することとしました。

つみたてNISA → 年40万円(月33,333円)
iDeCo → 年27.6万円(月23,000円)
年67.6万円(月56,333円)

上記を愚直に積み立てていき、現実的な利回り5%で運用できた場合、
→21年目で2000万円を突破し、2503.1万円。
→30年目で4688.4万円となります。

利回り5%

このように運用すれば、老後2000万円問題はクリアできる可能性は高いです。
よって、つみたてNISAを満額運用し、iDeCoも多くの人で上限額となる年27.6万円(月23,000円)を運用することをおすすめします。

これより、iDeCoについて「老後2000万円問題対策」としての活用方法を中心に解説していきます。

なお、つみたてNISAについては、別記事で詳しく解説しています。
参考:【老後2000万円問題の対策その1】つみたてNISAについて解説【メリット・注意点】

iDeCoは途中引き出しができないため、
完全に「老後のための資産運用方法」

iDeCoのメリット

iDeCoを運用する上で得られるメリットについて具体的に挙げていきます。

運用利益が非課税になる(20.315%の税金がタダ!)

前述の通り、最大の特徴であり最大のメリットは運用利益が非課税になることです。
通常、投資で利益を得た場合、運用益・分配金に対して20.315%の税金がかかりますが、それがタダになります。

これはつみたてNISAや一般NISAにも共通する事ですが、非常に嬉しい制度ですね。

そのため、本来差し引かれるべき税金分も、繰り越しで運用にあてることが可能で、より大きな複利効果を得る事ができ、効率的な資産形成が可能となります。

ほったらかしでストレスがない

つみたてNISA同様、iDeCoも一度つみたて設定をしてしまえば、自動的に買い付けをしてくれるため、ほったらかしで運用可能です。
細かい事を考えなくて良いので、ストレスがありません。

買い付けのタイミングを見極めることは投資のプロでも難しいとされていますが、iDeCoの場合は設定した間隔で自動的に買い付けるので、買いのタイミングを判断する必要や手間がありません。

これは、「老後2000万円問題対策」として活用する際、とても大きなメリットとなります。

「いまここ」を生きるためにも、老後の事を考えすぎてはいけません。
将来に対する「ぼんやりとした不安」やストレスを排除するためにも、ほったらかし運用はベストな選択だと思います。

未来は誰にも読めないため、投資で100点を取るのは不可能です。
100点を目指すのはキッパリと諦め、やり込みすぎる事は避けましょう。

より充実した人生を送るため、投資はほったらかしにして、他の有意義な時間を作っていきましょう。

積み立てた掛金が全額所得控除される

iDeCoの掛金は、全額「小規模企業共済等掛金控除」の対象となり、課税所得額から差し引かれることで所得税・住民税が軽減されます。

節税額は個々の年収や掛金によって違ってきますが、積立期間中はずっと控除の恩恵を受けられ、人によっては大きな節税効果が得られます。

受給時に所得控除を受けられる

iDeCoはつみたてNISAや一般NISAと違い、お金を受け取るときに税金がかかります。

しかし、受給年齢に到達して確定拠出年金を一時金で受給する場合は「退職所得控除」、年金で受給する場合は「公的年金等控除」の対象となり、税制優遇制度も設けられています。

うまく受け取り金額を設定することで、節税効果が生まれます。
計画的な受け取りが必要となります。

つみたてNISA同様、愚直に積み立てる

iDeCoの注意点

iDeCoにはメリットも多い反面、注意点もあります。
元本割れリスクもあるため、注意点についてもしっかりと把握した上で開始しましょう。

各種手数料がかかる

iDeCoには申込窓口となる金融機関のみならず国民年金基金連合会と事務委託先金融機関も関わっており、下記手数料が発生します。
①加入時手数料 2,829円
②移換時手数料 4,400円
②口座管理手数料 171円/月
③給付事務手数料 440円/1回
④還付事務手数料 440円/1回
※金額は、楽天証券の場合(税込)

なお、インターネットで開設できるネット証券は手数料が非常に安いためオススメです。

ネット証券は 一般的に店舗がないのでコストを下げることができ、そのぶん手数料が店頭証券より安くなる傾向にあります。

同じような利回りを期待できる商品でも、手数料が全く違うことがあります。
「ネット証券一択!」と言い切ってしまえるレベルで手数料に大きな差があり、手数料の安い証券会社を選ぶ必要があります。

ある本には、「年0.5%以上の手数料はぼったくり」だと書かれていました。
1つの指標にすると良いでしょう。

効率よく資産形成したい場合、間違っても手数料の高い店頭証券の窓口に行ってはいけません。

オススメ①:楽天証券

私は楽天証券のつみたてNISA口座と特定口座を持ち、運用しています。
私が持つ「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の手数料は年0.0968%です。

手数料が非常に安く、PCでもスマホでも操作もしやすいためオススメです。

オススメ②:SBI証券

国内最大手であるSBI証券もとても手数料が安く、オススメです。

上記「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と同じ連動をする「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」の手数料は0.0938%で、楽天証券より安くなっています。

しかし、楽天銀行と大きな差ではありません。
ある程度の水準をクリアしていれば、私は細かい数字は気にすべきではないと考えています。

これからiDeCoを始める場合、手数料の安い上記2社をおすすめします。

損した時に恩恵が受けられない

iDeCoで損失が出てしまった場合、通常の投資では認められているような恩恵が受けられないので注意です。

通常の投資では、下記2つの制度がありますが、つみたてNISA同様、iDeCoでも適応されません。
・損益通算(他の運用利益と相殺)
・繰越控除(年をまたいだ繰越)

以下、それぞれについて説明します。

損益通算(他の運用利益と相殺)

例えば、商品Aと商品Bの2つのファンドを買ったとします。
商品Aで100万円の運用利益が出て、商品Bで100万円の損失が出た場合、通常であればその100万円は相殺され、得た運用利益は±0円という扱いになります。

当然、利益がゼロなので、利益に対する税金はかかりません。
これを損益通算と呼びます。

しかし、iDeCo口座の場合、特定口座や一般口座と運用利益を相殺することができません。

例えば、前述の商品Aを特定口座で購入し、商品BをiDeCo口座で購入していた場合。
損益通算することができないため、特定口座=+100万円、iDeCo口座=ー100万円という扱いになります。

よって、特定口座の運用利益100万円に対して20.315%の税金がかかり、手元に残るのは80万円弱となってしまいます。
iDeCoで100万円の損失を出しているので、トータルで約20万円の損失となります。

このような性質を持つ事を知っておかなければなりません。

繰越控除(年をまたいだ繰越することができる)

通常の投資であれば、損失を3年間繰り越せるという特徴があります。
これを繰越控除と呼びます。

例えば、1年目で100万円の損失があり、2年目で100万円の運用利益が出た場合。
前年の100万円の損失と相殺して利益をゼロに計上することができ、2年目の運用利益100万円に対する20.315%の税金がかかりません。

iDeCoではこの繰越控除ができないので、注意が必要です。

原則60歳まで途中引き出しができない

iDeCoは老後のために資産を築くことを目的とした制度で、その応援のために国が税制上の優遇を設けているため、原則として60歳になるまでは途中引き出しは認められていません。

これに関しては、「iDeCoは老後の年金である」と割り切ることができれば問題ありません。

しかし、そのように割り切ることができない人はiDeCoに向いていません。
あくまで、iDeCoは老後の資産形成のための手段です。

なお、60歳以上で自分で受け取る「老齢給付金」のほか、
障害を負った時に受け取れる「障害給付金」および、死亡した時に遺族が受け取る「死亡一時金」があります。

勤め先が企業型DCを導入している場合、iDeCoを併用するには条件がある

勤め先が企業型確定拠出年金(企業型DC)を導入している場合、iDeCoの併用は以前まで禁止されていました。

2017年1月に制度改正があり、条件付きで併用可能となりましたが、
「勤め先が企業年金規約で企業型DCとiDeCoの併用を認めていること」が条件となります。

残念ながら、私の勤めていた会社はiDeCoの併用を認めていませんでした。
しかも、企業掛け金が最低金額でしょぼいものでした。
※企業掛け金の同額までしか自分で拠出できない制度なので、企業掛け金がしょぼいと全然積み立てられません。

証券会社も会社指定のところに縛られるため、おのずと投資先も狭まり、自由がききません。

これからiDeCoへ移管する予定ですが、おかげで掛け金は少なく、残念な状況です。

なお、ほとんど外国株式インデックスで構成しているため、この1年の運用利回りは42.32%とありえない高水準でした。

この1年の運用利回りは42.32%

企業型DC福利厚生の一環であり、微々たるものでも企業掛け金をいただいていたのであまり文句を言ってはいけませんが、
自分でiDeCoを運用していた方が確実に大きな利益が得られました。

iDeCoは長い戦いなので、一喜一憂しないように注意!

おすすめ書籍(2冊)

本記事の内容について、おすすめ書籍を2冊紹介します。
※過去記事でも一貫して紹介している書籍です。

「投資の大原則 人生を豊かにするためのヒント」

「投資必勝法」などの文句に惑わされないために必要な知識をつけるのに最適な本です。
短期的トレード・投機(ギャンブル)は「敗者のゲーム」であり、「勝者のゲーム」とは地味で退屈なものであるという真実を学ぶことが出来ます。

「FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」

課題があるという事実と、世界が成長するという事実は両立することを理解できます。
「世界は良くなっている」という事実に気づけば、株式全体に投資するインデックス投資の有意義さが理解でき、投資必勝法などの詐欺やギャンブルに手を出す余地はなくなるです。

是非、この2冊を手に取り、読んでみて下さい。

本記事では、私目線で切り取った情報のみを載せ、アレンジしています。また、他の要約ブログや要約動画も他人のフィルターを通した情報です。

当然のことですが、個人の価値観により、人それぞれ重要な情報は異なります。

自分の頭で考え、自分の人生を生きるためにも、是非手にとって読んでみて下さい。
出来れば、上記2冊の併せ読みをおすすめします。

今後、あなたの取るべき行動が見えてくると思います。

まとめ:老後2000万円問題の対策として、iDeCoを活用するのはアリ!

以上、iDeCoの基本(メリット・注意点)について、「老後2000万円問題対策」としての活用方法を中心に解説しました。

まとめです。

・はじめに:iDeCo(個人型確定拠出年金)とは
→確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度で、加入は任意

・iDeCoのメリット
 ①運用利益が非課税になる(20.315%の税金がタダ!)
 ②ほったらかしでストレスがない
 ③積み立てた掛金が全額所得控除される
 ④受給時に所得控除を受けられる

・iDeCoの注意点
 ①各種手数料がかかる
  オススメは楽天証券 & SBI証券
 ②損した時に恩恵が受けられない
  
(1)損益通算(他の運用利益と相殺)
  (2)繰越控除(年をまたいだ繰越)
 ③原則60歳まで途中引き出しができない
 →「iDeCoは老後の年金である」と割り切ることができれば問題なし
 ④勤め先が企業型DCを導入している場合、iDeCoを併用するには条件がある
 →自由のきかない理不尽な制度である

・おすすめ書籍(2冊)
 「投資の大原則 人生を豊かにするためのヒント」
 「FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」

老後2000万円問題の対策として、iDeCoを活用するのはアリです。

国がiDeCoやNISAのような制度を作っていることから、全国民に投資を勧めていることは明らかです。

「投資=怖いもの」というイメージがある方も居るかもしれませんが、今後は国民皆保険と同様、国民皆投資が求められます。

老後の不安を払拭するためにも、簡単なほったらかし投資としてiDeCo&つみたてNISAをおすすめします。

今後、iDeCoやつみたてNISAに続く新しい制度ができる可能性もあります。
新しい情報も積極的に手に入れ、活用していきましょう。

少しでも参考にしていただけると幸いです。

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