【心のスキマに注意!】悪徳業者はコンプレックスにつけ込む

③『正義の味方ごっこ』の裏話

今回は、悪徳業者との結びつきが強い、
『コンプレックス』について書きたいと思います。

下記目次の通り、
最初に被害者心理として「コンプレックスの種類」について説明した後、
具体的な「悪徳業者がコンプレックスにつけ込む方法」を挙げ、
最後に「コンプレックスとの向き合い方」について私の考えを述べます。

はじめに:コンプレックスは悪徳業者がつけ込むスキマとなる

コンプレックスについては、
解説1:後出しマルチの手口、洗脳の心理テクニックでも記載しようか迷いましたが、
全ての被害者に当てはまるわけではないのでそちらには記載しませんでした。

悪徳業者にとって、
『コンプレックスにつけ込む』手口は、
あくまでオプションの1つです。

しかし、
過去記事でも記載した通り、
大きなコンプレックスを抱き、そこにつけ込まれた被害者も多く見てきました。

その力はかなり強力で、
私が説得に失敗した5例のうち3例はコンプレックスが絡む事例でした。
参考:【説得失敗事例からの教訓】脱洗脳に失敗した5例

なぜコンプレックスが悪徳業者がつけ込むスキマとなるのか?

今回は、私が説得に失敗した上記3例についてもおさらいし、
被害者心理と悪徳業者の思惑について私なりに考えた内容をまとめます。

被害者心理:コンプレックスの種類

まず、コンプレックスの定義について。

この記事における「コンプレックス」は、現代の日本で汎用される「劣等コンプレックス」のことを指すこととします。
※考えの元としてアドラー心理学を参照し、書籍『嫌われる勇気』の内容も一部引用します。


アドラー心理学によると、
「劣等コンプレックスは、自分の劣等感をある種の言い訳に使いはじめた状態」とのことです。
「私はAであるから、Bできない」などといった状態です。
例:私は貧乏であるから、豊かな人生を送ることができない

つまり、劣等感をこじらせた結果、劣等コンプレックス(以下、「コンプレックス」に統一)となります。
劣等感を行動により解消することを諦め、歪んだ心になっている状態です。

そして、
世の中の人間の大半は何かしらのコンプレックスを持っています。

そのコンプレックスは、真っ当な商売を含めたマーケティングで利用されています。
コンプレックスを解消するためのダイエット商品や美容商品、怪しい健康食品などが世の中に蔓延していることからも明らかでしょう。

よって、
コンプレックスが悪徳業者がつけ込むスキマになることは想像に容易いと思います。

私が潰した悪徳業者も、
強いコンプレックスを抱く人間の心理につけ込んでいました。

コンプレックスの元となる劣等感は、比較から生まれます。
比較対象がなければ、劣等感は発生しません。

私は過去の経験から、
コンプレックスは下記3つに分類されると考えています。

①比較対象が自分のにあるタイプ
→理想的の自分の姿と、現在の自分の姿を比較し、そのギャップに苦しむ。

②比較対象が自分のにあるタイプ
→理想的な他人の姿と、現在の自分の姿を比較し、そのギャップに苦しむ。

③比較対象が自分のにもにもある(上記①②の複合型:コンプレックスの塊)
→あらゆることと、現在の自分の姿を比較し、そのギャップに苦しむ。

上記それぞれについて、
悪徳業者がどのような形でつけ込むのか、
これから詳しく解説していきます。

悪徳業者がコンプレックスにつけ込む方法

比較対象が自分の中にあるタイプ:「成長したい」「変わりたい」という強い欲求を満たす

現在の自分に満足しておらず、
理想と現実のギャップに苦しむタイプのコンプレックスに対しては、
「成長したい」「変わりたい」という強い欲求を満たすことが心の救いとなります。
悪徳業者はそこにつけ込みます。

私が『正義の味方ごっこ』で出会った、とある被害者の話をしたいと思います。
インターネット上で知り合った相談者の依頼を受け、私が出向いて直接説得に当たった被害者になります。

私と相談者による説得を真摯に受け止め、
非常に礼儀正しく、素直な好青年でした。

彼は責任感が強く、
自身が勧誘して入会させてしまった子会員2人の責任を重く感じていました。

そんな彼は、
『口下手であること』がコンプレックスでした。

私が説得に出向く際は、
被害者本人の意思を確認し、求めがあればその足で子会員や親会員の説得の手伝いも行っていました。

そして、求めがあって説得を行う場合、
私は出来る限り大人しくし、出来る限り被害者本人の口から喋ってもらうようにしていました。
自ら率先して説得の行動をしてもらうことが更生の第一歩となり、その被害者の成長に繋がるためです。

責任感が強い彼は、
「今すぐに子会員の説得をしたい」と言ったため、
その日のうちに子会員2人の説得の手伝いをすることとなりました。

最初、彼は自信がなさそうに「うまく話せないかも」「口下手なんです」と言っていました。
しかし、「自分の責任なので、自分の口から説明したい」と決意してくれたため、
彼がうまく説明できるようになるまで、一緒に説得の練習をしました。

本人の言葉通り、練習の時点で緊張が見られたり、
噛んだり、話が飛んだり、決して喋りが上手いわけではありませんでした。

しかし、
練習で何度も噛みながらも、私にアドバイスを聞きながら頑張る姿はとても真剣で、
心を打たれました。

彼は、その練習の合間に「話が上手くなりたい」と何度も言い、
2時間ほど、熱心に練習しました。
そんな彼の子会員への説得は、2件とも無事に成功しました。

彼から、「成長したい」「変わりたい」という気持ちがひしひしと伝わってきて、
強いコンプレックスの存在を知りました。

ここからは私の推測ですが、
彼は『口下手な自分』を変えたくて、成長したかったために、
この悪徳業者に入ってしまったのだと思います。

彼が悪徳業者の活動中に記載していたノートを見せてもらいましたが、
目標設定の一番上に「話が上手くなりたい」という記載がありました。

この悪徳業者は、『プレゼン能力やコミュニケーション能力の養成』も餌にしている節がありました。
しかも、勧誘活動によって、プレゼン能力やコミュニケーション能力が養成できると謳っていたのです。

私も『正義の味方ごっこ』で説得活動を行っていて痛感しましたが、
被害者を洗脳させる勧誘活動も、被害者の洗脳を解く説得行為も、話術がかなり重要となります。
よって、悪徳業者の勧誘活動によりプレゼン能力やコミュニケーション能力が養成できることは事実です。

なので、彼が悪徳業者に騙され、
複数回にわたって勧誘をしてしまった一番の要因はそこにあると考えています。

また、彼の活動中のノートには、勧誘活動のための台本を記載していました。
熱心に一字一句細かくノートに書いており、
勧誘に失敗した際には、その失敗要因について細かい反省を記していました。

こんなに真面目にノートを書いている被害者は他にいませんでした。
私は、そのノートを読んで心が痛みました。

彼が、『口下手な自分』を変えるために組織の中で努力して、
勧誘を続けて、真面目に反省しながら頑張り、2人の勧誘に成功し、
当時は彼にとって『大きな成長』だったはずです。

しかし、
その活動の本質は悪徳業者で、
『大きな成長』ではなく『大きな失敗』であったという、
救われない話です。

そういった、
人の「成長したい」「変わりたい」という切実な思いを踏みにじることは許せません。

このような「成長したい」「変わりたい」という気持ちが強ければ強いほど、
洗脳は深くなります。

思春期から長期に渡って抱くコンプレックスは、
特に強力

比較対象が自分の外にあるタイプ:特殊能力による『一発逆転』の幻想

他人に対して強い劣等感を抱いて拗らせたコンプレックスに対しては、
特殊能力による『一発逆転』が心の救いとなります。
当然、『一発逆転』など幻想に他なりませんが、悪徳業者はそこにつけ込みます。

私が潰した悪徳業者は、『投資必勝法』により『楽して稼げる』特殊能力を授け、
他人(比較対象)に勝利する手段を提示しました。

『収入・財力』の特殊能力を手にすることで、
『一発逆転』を可能にすると誘惑するのです。

他人に対して強いコンプレックスを抱くタイプの人は、
常に自分と他人と比較をしています。

しかし、他人との比較は底無し沼です。
誰かに勝ったとしても、また別の比較対象が現れ、
永遠に敵と戦い続けなければなりません。

また、この手のコンプレックスを抱く人は、
他人に自分の優越性を誇示する傾向にあります。

アドラー心理学でも、
「自らが優れていることを誇示しようとするのは、認めてくれないことを恐れるコンプレックスに由来する」と説いています。
アドラー心理学で手放すべきと説かれている『承認欲求』もここに潜んでいると考えます。

『収入・財力』を特殊能力として授かった(と勘違いした)悪徳業者内部者は、
ブランド物を見せびらかしたりしてその能力の高さを誇示します。
※私が潰した悪徳業者においては、実際に『収入・財力』は手にできておらず、全てが虚構でした。

見栄はコンプレックスの裏返しです。
本当に豊かな人間は『収入・財力』を誇示したりしません。
「見栄」については、別記事で改めて解説したいと思います。
参考:【見栄っ張りに注意!】欲は身を滅ぼすという話

『一発逆転』がどんなに馬鹿馬鹿しいものであるかは、過去記事にも示しています。
『投資必勝法』など、『他人が作ったモノに賭けること』は挑戦でも何でもありません。
他力本願になることなく、自分の人生は自分の手で切り開いて下さい。
参考:【トネガワの格言】カイジから学ぶ、悪徳業者に引っかからないマインド

他人との比較は無意味である

コンプレックスの塊:『生まれて初めて輝ける場所』を提供する

比較対象が自分の中にも外にもある場合、
当然、前述の2項目にも該当します。

「成長したい」「変わりたい」という強い欲求を満たすことも、
特殊能力による『一発逆転』も心の救いとなります。

そしてさらに、
取り柄のない冴えない人間(コンプレックスの塊のような人間)に対しては、
『生まれて初めて輝ける場所』を提供することが強烈な心の救いとなります。
悪徳業者はそこにつけ込みます。

自分とも他人とも比較をし続け、自己肯定が全くできなくなった人間は、
失うものがないため、ある意味『無敵』です。

もしも自分が輝ける場所があれば、それは生まれ変わるチャンスとなります。
彼らはこれまでの自分が大嫌いなので、過去の全てを綺麗に断捨離したい気持ちも持っています。
これまでの自分を殺すが如く没頭し、その場所を生きがいとしてすぐ依存してしまうのです。

過去の全てを捨て、過去の友人のことも気に留めず、
悪徳業者に命をかけてしまった人間も目にしました。

何も失うもののない、
取り柄のない冴えない人間に対して、
『生まれて初めて輝ける場所』の存在は非常に強力です。

そして、すぐに依存するため、悪徳業者にとって非常に好都合な存在となってしまいます。

他人の芝が、いつも青く見えるような人は要注意!

コンプレックスとの向き合い方

過去記事でも白状していますが、
私も20歳になるまではコンプレックスの塊でした。

前述の全てのコンプレックスをコンプリートしていました。
私も完全なるコンプレックスの塊だったため、コンプレックスを抱く被害者の心理はよく理解できます。

これから伝える「コンプレックスとの向き合い方」は、
コンプレックスを抱く被害者たちを見て学びながら、
私が実際にコンプレックスを克服するために試行した方法です。

今ではコンプレックスに悩むことはほとんどなくなりました。

是非参考にしてみてください。

比較からの解放

まず、
劣等感を生み出す根本となる『比較』から解放されることが最も大切だと考えています。

アドラー心理学でも、
「我々が歩くのは誰かと競争するためではない。今の自分よりも前進することにこそ価値がある。」と説いています。

対人関係の軸に『比較』があると、人間は対人関係の悩みから解放されず、不幸のままです。
対人関係のみならず、自分の中での『比較』も同様に毒であると考えます。

ひとたび『比較』から解放されれば、誰かに勝つ必要もなくなり、
負ける恐怖からも解放されます。

とはいっても、
『比較』から解放されることは簡単ではありません。

当然、「比較から解放される!」と念じるだけでは不十分で、
具体的なアクションが必要です。

私がとった具体的なアクションですが、
『ミニマムな生き方』をし、『断捨離』をすることでした。

元々かなりの倹約家だったため、
自分の長所を生かせる手段だったことが大きいかもしれません。

私にとって『比較』から解放されるために一番重要だった考え方は、
『ミニマムな生き方』『断捨離』でした。

『モノ(ヒトも含む)に支配されない生き方』をすることにより思考がスッキリと整理され、
本当に大切なモノだけに囲まれる生活ができるようになりました。

自分の人生に必要な最低限のモノを把握し、
自分の人生に必要のないモノを認識することで、
「見栄を張ること」「他人に誇示すること」の馬鹿馬鹿しさを学びました。

モノを手放し、自分の価値観に気づくことにより、
『比較』のような雑念も捨てることができました。

『比較』から解放されるためにオススメの書籍は下記の通りです。



ミニマリストについては、別記事に詳しくまとめました。
参考:【必要最低限のモノで暮らす】自由を手にする『ゆるミニマリスト』のすすめ

また、次に伝える『承認欲求を捨てる』も、
『比較』から解放されるために重要な考え方です。

承認欲求を捨てる

アドラー心理学の有名な言葉ですが、
人間は他人の期待を満たすために生きているわけではありません。

承認欲求については、
ぜひ書籍『嫌われる勇気』を一読してみてください。


他人からの評価は自分でコントロールすることができません。
他者との『比較』も、他人からの評価(他人からどう思われるか)が重要な要素の1つとなり得ます。

『比較』から脱却するためにも、
自分でコントロールできない『他人の課題』から解放され、
自分でコントロールできる『自分の課題』に専念する考え方は非常に大切であると私は考えています。

私も昔は承認欲求の塊でしたが、
アドラー心理学の考え方を学んで以降、他人からの評価を気にせず、肩の力を抜いて生きることができるようになりました。

『いまここ』を生きる

『他人や自分と比較することなく、とにかく自分が前進すること』
この重要なミッションを実現させるためには、今この瞬間に命をかけることが最も大切だと考えています。
『いま』『ここ』を全力で生きることです。

非常にシンプルですが、
この考えはとても重要です。

自分の人生は、思っているより短いものです。
何かと自分を比較している時間などありません。

そして、他人を僻んだり、他人の足を引っ張ることは最も無駄な行動です。
時間は有限です。自分の問題に専念しなければなりません。

この考えは、多くの書籍で推奨されており、私も読書で身につけました。
私のオススメ書籍は下記の通りです。



まとめ:コンプレックスを味方にする

私は、
コンプレックスと付き合う上で最も重要なのは、
『比較』から解放されることだと考えています。

そのためには、
承認欲求を捨てること、
『いまここ』を生きることが大切です。

また、
個人的には『ミニマムな生き方』をし、
『断捨離』をすることもオススメします。

これまでに述べた通り、
劣等感をこじらせればコンプレックスとなり、人生にとってマイナスとなります。

しかし、劣等感と上手く付き合うことが出来ればプラスに転換できます。
悔しい気持ちは、成長のための大きなエネルギーを生みます。

自分の劣等感から目を逸らさず、
コンプレックスに進化させないように向き合い、
うまく付き合ってみてください。

劣等感を味方にできれば、
必ず人生は好転するはずです。

佐賀県伊万里市

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