今回は、
『「騙される方が悪い」という危険な思考』について書いていきます。
また、
『正義の味方ごっこ』の約4年間の活動が実り、
『詐欺師を潰す』という大きな目標を達成した直後の心境についてつづります。
私が詐欺師を潰し、
大々的な報道があった時、
世の中が「騙される方が悪い」という危険な思考で溢れていたので警告します。
みなさま、
慢心にはご注意を。
・詐欺被害者を内心バカにしたことがある人
・「騙される方が悪い」と思ったことのある人
必見です。
本記事の構成は下記目次の通りです。
はじめに:詐欺師を潰した直後の心境
詐欺師・悪徳業者を潰した日のことは、
今でも鮮明に覚えています。
行政処分の当日、
私が制作に関わった某報道局の報道がテレビで全国放送されました。
私が情報提供した、
見慣れた資料の中身がテレビに映し出され、
悪徳業者の代表の名前が『悪』として画面に表示されました。
悪徳業者の代表の名前を『悪』として世の中に晒し、
『社会的に抹殺する』という私の大きな目標が達成された瞬間です。
最初は大きな達成感と歓喜に包まれ、
関係者と喜びを共有しました。
しかし、
そんな歓喜の時間も束の間、
インターネット上の情報を見て、
とても残念な気持ちになりました。
被害者への配慮に欠ける行政処分の報道があり、
「騙される方が悪い」という危険な思考がインターネット上に溢れていたからです。
行政処分の報道のあり方と、
その報道を捉える人間の心理について、
私の考えを書いていきます。
行政処分の報道のあり方:被害者への配慮に欠ける報道を見直すべき
私が製作に関わった某報道局では、
行政処分前から何度も注意喚起の報道を行っていましたが、
常に被害者への配慮を欠かすことなく、
被害者を馬鹿にするような表現は行っていませんでした。
行政処分当日の報道も、
一人の被害者に出演を依頼しましたが、
被害者の尊厳を守る最大限の配慮を行っていました。
しかし、
行政処分当日に発表された、
大元となる東京都&消費者庁の報道資料が、
被害者への配慮に欠けるものでした。
※現在はHPが削除されていますが、
少し前までPDF資料のみインターネット上に残っていました。
ご覧の通り、
フロー図がまるで「被害者を馬鹿にしたような表現」となっていることが気にかかりました。
特に消費者の表情の「雑な編集」に悪意を感じました。
行政処分の前にも、
国民生活センターから出された注意喚起の報道においても、
似たようなフロー図が使われていました。
被害者を守るべき行政機関が何故こういう報道しかできないのか、
不思議で仕方ありません。
実際に勧誘を受けたことのない第三者にこのようなフロー図を見せれば、
「被害者が馬鹿だ」と思われて当然です。
分かりやすく報道することは大切ですが、
個人的には、
被害者のイラストを『間抜け極まりない姿』で表現することは辞めていただきたいです。
※私は過去の記事で『悪徳業者の幹部』および『手遅れな人間』を馬鹿にすることは多々ありましたが、被害者全般を馬鹿にしたことはありません。
被害者を馬鹿にするような報道をする行政機関に対して、
被害者が嫌悪感を抱いている姿も目にしました。
行政機関への信頼が薄くなり、
消費者センターに相談に行くことも避ける被害者も居るかもしれません。
このような被害者を馬鹿にしたような報道は、
被害者の泣き寝入りも助長しかねません。
被害者への配慮に欠ける報道について、
私は「見直しが必要だ」と考えています。
報道を捉える人間の心理:自尊心を保つため、被害者を馬鹿にする
前述のフロー図で初めてこの悪徳業者の手口を見た第三者は、
「こんな単純な手口に騙さるなんて、騙される奴が馬鹿だ」と思って当然です。
しかし、
それは結末の知れたドキュメンタリー映画を見て、
オチを言い当てているのと同じです。
完全なる『錯覚』です。
勧誘の始まりからオチまで、
一部始終が書かれたその詐欺の手口を見れば、
それは「とっても単純で馬鹿馬鹿しいもの」に見えることでしょう。
しかし、
一番仲の良い親友から実際に勧誘を受け、
「洗脳」という神秘的な現象について深く知った私から言わせれば、
「騙される方が悪い」なんて、
口が裂けても言えません。
実際の勧誘では、
オチが見えないどころではなく、
次々に勧誘の巧妙な手口や心理テクニックが現れ、
真相が見えないように様々な壁が立ちはだかります。
参考①:第一章:人生初の詐欺の勧誘被害、地獄の始まり
参考②:解説1:後出しマルチの手口、洗脳の心理テクニック
誰もが被害者になりうるのに、
人間はすぐに他人を見下して馬鹿にします。
自尊心を保つため、
「被害者を馬鹿にしてホッと胸を撫で下ろしたくなる心理」が働くためです。
そして、
前述の『被害者への配慮に欠ける報道』がそれを助長します。
行政処分当日、
Twitter上でも「騙される方が悪い」という意見が九割以上を占めていました。
Twitter検索で数十件のコメントを見て、
「世間知らず」「ゆとり」「自己責任」など、
被害者を批判する意見ばかりで悲しくなり、
私はそれ以上検索するのを辞めました。
私が製作に関わった某報道局の報道では、
常に被害者への配慮を欠かさない報道を行っていましたが、
そのように十分配慮をした報道でも被害者を馬鹿にする人間は大勢現れます。
それほど、
人間は愚かな生き物です。
他人を見下し、
馬鹿にするのが大好きな生き物なのです。
このような心理が働いてしまうことは、
みなさまの経験からも明らかでしょう。
まとめ:「騙される方が悪い」という危険な思考
以上、
『「騙される方が悪い」という危険な思考』についてでした。
まとめです。
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はじめに:行政処分後の心境
→インターネット上の情報を見てとても残念な気持ちになった
行政処分の報道のあり方:被害者への配慮に欠ける報道を見直すべき
→被害者を馬鹿にしたような報道は、被害者の泣き寝入りも助長しかねない
報道を捉える人間の心理:自尊心を保つため、被害者を馬鹿にする
→人間は他人を見下し、馬鹿にするのが大好きな生き物
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前述の通り、
人間は『自尊心を保つため、被害者を馬鹿にしてホッと胸を撫で下ろす』生き物で、
『被害者への配慮に欠ける報道』がそれを助長します。
「騙される方が悪い」といった慢心は、
悪徳業者の被害に遭う心のスキマになります。
この「慢心」の思考こそが、
非常に危険です。
「騙される方が悪い」という言葉は、
身近で被害が蔓延し、
一番仲の良い親友から実際に勧誘を受け、
インターネット上に悪徳業者の情報が一切無い環境でも芯を曲げず、
騙されることのなかった私のような人間にしか言う資格はないと考えています。
※騙されなかった大きな要因は、下記記事に記載の通り、欠陥人間だっただけですが。
参考:【幼い子供へのがん告知】幼い子供を持ち、がんの診断を受けた人に伝えたい話
しかし、
一番仲の良い親友から実際に勧誘され、
「洗脳」という神秘的な現象について深く知った私から言わせれば、
「騙される方が悪い」なんて、
口が裂けても言えません。
※大事なことなので、あえて二回言いました
何の根拠もなく、
人を見下すように「自分は絶対に大丈夫だ」と思ってしまうような人間は、
そういう慢心や油断こそが一番危険だという事実を知りません。
私は、
本質を知らず(知ろうともせず)、
表面しか見ずに発せられる批判が大嫌いです。
そのような批判の声が、
被害者をさらに苦しめます。
そのような批判の声によって、
泣き寝入りを選択する被害者の姿も見てきました。
被害者たちは口を揃えて、
「まさか自分が被害に遭うとは思わなかった」と言います。
誰でも悪徳業者の被害者になり得流ということです。
みなさまも慢心することのないよう、
注意してください。
他人を見下して馬鹿にすると、
きっといつか痛い目にあいます。
謙虚に生きていきましょう。
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