【音嫌悪症】くしゃみや咳払いに殺意を覚えるミソフォニア

④薬とか医療とか

今回は「ミソフォニア(音嫌悪症)」について書いていきます。
音恐怖症、選択的音感受性症候群とも呼ばれています。

私自身、25年以上この病気で苦しんでいます。
特定の音に対して非常に敏感となる病気で、私は(特に中高年男性の)くしゃみや咳払い、鼻をすする音、咀嚼音などに殺意を感じます。

殺意とは、決して大袈裟ではありません。
抑えきれない怒りと、焦燥感のような感情に苛まれます。

そして、うつ病の発症を機に悪化しました。
※診断書をもらうなど、正確な診断は受けていませんが、精神科で口頭で確認しています。

本記事では、ミソフォニアを患う私の経験、生きていく上での工夫について書きたいと思います。

・くしゃみや咳払いに殺意を覚えて悩んでいる方
・特定の音に敏感になり悩んでいる方
・身近にミソフォニアの人がいる方

必見です。

正直、トリガー音を思い出したり、想像するだけでイライラするため、若干毒舌になりますがご了承ください。
だいぶオブラートに包みますが、これがリアルな患者の脳内と思っていただければ幸いです。

本記事は下記目次の通りの構成となっています。

はじめに:ミソフォニア(音嫌悪症)とは

ミソフォニア(音嫌悪症)とは、音恐怖症、選択的音感受性症候群とも呼ばれ、特定の音に対して非常に敏感となる病気です。

結構マイナーな病気ですが、昔に比べて徐々に認知されてきていると感じています。

特定の音(トリガー音)は、人それぞれ異なるようです。

私のトリガー音は、くしゃみ、咳払い、鼻をすする音、咀嚼音、飲み込む音、いびき、ゲップ、咳などで、
基本的に上気道、呼吸器に関わる音が問題となりました。

かすれ声の人で、声自体が受け付けない事もあります。

その他、筆記音(字を書く音)やタイピング音がトリガーとなる人もいるようです。
※私は全く問題ありません。やはり、個人によってトリガーとなる音は大きく異なるようです。

トリガー音を聞いた時の私の症状としては、『抑えきれない怒り(殺意)』と、『焦燥感のような感情』です。
衝動的に怒り、心拍数が上がり、不安・焦りのような不快な感情に苛まれます。

そして、衝動的に舌打ちをしてしまったり、衝動的に怒鳴ってしまうこともあります。

なお、ミソフォニアのトリガー音に「慣れ」は生じず、発されたトリガー音の回数と等しい回数・閾値の不快感を感じます。
与えられた数だけ、苦痛を感じる地獄です。

現段階で治療薬は存在せず、
正直、日常生活に支障をきたすレベルです。

詳しくは後述しますが、私は徹底的にトリガー音から避けるようにしています。

また、インターネットでセルフ診断テストがあったので、やってみました。
私は『かなり生きづらい、重度〜極度のミソフォニア』でした。

出典:美テラシー様

上記ホームページは、ミソフォニアについて特記されています。情報も一部引用させてもらっています。
詳しく知りたい方はご確認ください。

私のミソフォニア(音嫌悪症)闘病記

私のこれまでの闘病について、時系列で紹介していきます。

「心が狭い」と非難された幼少時代

私が特定の音に非常に敏感であることに気づいたのは幼稚園生の頃(5歳)でした。

同級生の鼻をすする音がどうしても許せなくなった時があり、衝動的に「やめて!」と強く伝えました。
すると、「しょうがないじゃん」と開き直られ、(嫌がらせのように)近くで鼻をすすり続けられて喧嘩になった事がありました。

※これは多分私の被害妄想だと思いますが、当時の私には嫌がらせにしか見えませんでした。

その日の帰宅後、母親から「心を広く持たなきゃダメだよ」と優しく怒られたのを覚えています。

「ああ、僕は心が狭いんだ」「みんなが普通に我慢できることが我慢できないんだ」
と、幼いながらに自分を責めました。

しかし、この症状は反省してどうにかなることではありませんでした。
家でも苦悩が続きます。

祖母と父が頻繁に『力任せのくしゃみ(しかも連発)』をする人間で、その度に抑えきれない怒りと、焦燥感のような感情に苛まれました。
比較的控えめな、母や姉や弟のくしゃみも許せませんでした。
今、『くしゃみ』という言葉をタイピングしていてもムカついてくるレベルです。存在そのものが大嫌いです。

特に、家に長時間居る祖母のくしゃみの被害を受ける機会が多く、その都度怒り、衝動的に「やめろ!」「うるさい!」と怒鳴ってしまった事は数えきれません。
その度に、「仕方ないでしょ」と開き直られ、「心が狭すぎる」と非難され、自己嫌悪に陥りました。

私は出来るだけトラブルにならないよう、徐々にトリガー音から逃げるようになりました。

一旦、祖母や父のくしゃみが始まれば、しばらく止まらない地獄の時間となります。

その地獄の時間が始まった途端、食事中であっても自室に避難し、イヤホンで耳を完全に塞ぐ日々でした。
二人のくしゃみは家中どこにいても聞こえる爆音だったので、そうでもしなければやり過ごす事ができなかったのです。

食事の時間、自分の時間を邪魔されるのがさらにストレスとなり、イラつきました。

前述の通り、くしゃみの他、咳払い、鼻をすする音、咀嚼音、飲み込む音、いびき、ゲップ、普通の咳など、
基本的に人間から発せられる音全般に同様な怒りと焦燥感を覚えていました。

※何故か、おならは全然大丈夫でした。私は上気道、呼吸器に関わる音がトリガーとなるようです。

幸い、家の中にはクチャラー(食事の際に超絶不快な音を立てる人間)は居なかったため、毎食ぼっち飯をする必要はありませんでしたが、学校の給食や弁当の時間では相手を選びました。
正直、かなり苦痛な時間もありました。

以降も衝動的に舌打ちをしてしまったり、衝動的に怒鳴ってしまうこともありましたが、前述のように「しょうがないじゃん」「仕方ないでしょ」と開き直られる事ばかりでした。
それにより、「やはり理解されない」「私が悪いんだ」という思いから、私のイライラと焦燥感のような感情は大きくなりました。

ミソフォニアという病気の存在を知るまで、「私が心が狭いだけだ」と、自己嫌悪に陥る日々でした。

15年越しに病気だと知った大学時代

成人したての頃、通学途中の電車で軽いトラブルになりかけました。

うるさい騒音おじさんが私の隣に座り、1分に1回程度のペースで咳払いをし始めたのです。

通常だと席から立ち、遠くへ逃げるところですが、
大学の定期テスト直前で、暗記の詰め込みをやっていた私は、その余裕がありませんでした。

「咳払いだけなら」と思い、(音漏れするくらい)イヤホンの音量を上げ、到着するまでの数分だけ凌ごうとしました。
しかし、怒りは抑えきれません。

騒音おじさんは太っており、生活習慣病である事が明らかです。
このような時、「太ってるから不健康なんだろ」「不摂生やめて今すぐ痩せろよ」「(食事や酒やタバコなど)我慢を知れ」などと、頭の中は怒りの感情で一杯になります。

そして、追い討ちをかけるように、でかいくしゃみが襲ってきました。

イライラしている中、急にやってきたデカくて不快なトリガー音により怒りの臨界点を超え、私は衝動的に舌打ちをしてしまったのです。

すると、騒音おじさんは私を睨みつけました。
口が動いており、何かを言っていますが、イヤホンの音が大きく聞こえません。

その時、ちょうど私が降りる駅に到着したため、怒りをグッと堪え、シカトして降りました。
騒音おじさんは追いかけてこず、トラブルにならなかったことに私はホッと胸をなで下ろしました。
※私の中にも強い怒りがあったため、好戦的にされればやり返してしまった可能性が高いです。

タイミングが良かったのでトラブルに発展しませんでしたが、トラブルになってもおかしくない事例です。

私は反省しつつ、やはり怒りは抑えられないものであったため、すぐに『くしゃみ 殺意』と検索しました。
そこで、ミソフォニア(音嫌悪症)という病気があることを知り、私も完全に当てはまることを知りました。

しかし、全然メジャーではなく、周囲に理解されないことは変わりありません。友人数人に話してみましたが、やはり共感は得られませんでした。

同居する家族に言っても無意味だと思い、伝えませんでした。

病気の存在を知って以降も、相変わらずトリガー音から逃げ続ける日々を送りました。

うつ病により悪化したミソフォニア

社畜生活5年目、昔よりも明らかに悪化しており、怒りが抑えきれなくなっていることに気づきました。

私の会社の同じフロアには重度の騒音おじさん(くしゃみ、咳払い、鼻をすする音のオンパレード/今こうして書いているだけでムカついてくる)がおり、耳栓やイヤホンをしても遮断できないレベルだったので地獄でした。

新型コロナウイルスの影響で出張の機会がほとんどなくなり、社内でリモートワークは進んでいなかったため、そのトリガー音の近くにいる時間が長く、最悪な日々でした。

トリガー音を耳にした私の脳内は、以前より複雑に怒りと焦燥感でうごめくようになっていました。
その重度の騒音おじさんも、やはり肥満人間でした。

以前と同様に「太ってるから不健康なんだろ」「不摂生やめて今すぐ痩せろよ」「(食事や酒やタバコなど)我慢を知れ」などのレギュラーに加え、
「クソうるさい咳払いは逆流性食道炎由来の可能性もあるから、今すぐ内科に行けよ」
「胃に悪い辛いものとか消化の悪いものばっか食べてんじゃねーよ」
「年中鼻をすするのは慢性副鼻腔炎だろ、クラリスロマイシンとカルボシステイン飲めよ」

などの怒りも脳内にうごめきました。

医療の知識が増えた分、様々な雑念で支配されるようになり、苦痛を極めました。

常に耳栓やイヤホンをしており、空き会議室へ逃げる手段も多用していた為、社会不適合者としての道を極めることとなりました。

過去記事にも書いた通り、のちにうつ病となり退職することとなります。
もし退職していなければ、いつか確実にこの騒音おじさんを殴っていたでしょう。
参考:【うつ病は甘え?】知らぬ間にうつ病になっていた元社畜からのアドバイス

そして、うつ病の診断を受けた最初の受診時、精神科でこの症状についても相談しました。
しかし、その医師はミソフォニアについて知らないようなリアクションを見せ、話は流されてしまいました。

一度転院し、別の病院で再度相談しました。
そこでも診断書は『うつ病』でしかもらっていませんが、ミソフォニアであることも口頭で説明を受けました。

しかし、ミソフォニアの治療薬はないため、うつ病の治療しかしていません。

残念ながら、認知度もあまり高くなく、治療薬もないという現状です。

車生活・ホームレス生活で、人を避ける日々

今の私にとって、他人の音に影響を受けない『自分だけの空間』ほど気楽なものはありません。
過去記事にも書いた通り、現在はホームレス生活をしていますが、車生活が『自分だけの空間』を確保でき非常に快適です。

参考①:【ホームレス生活】家を持たない生活をしてみた結果
参考②:【車中泊/リモートワーク】コロナ禍における車生活のすすめ(トヨタ・ヴィッツ/Vitz)

コロナウイルスの流行により、ソーシャルディスタンスも当たり前となり、人が少ない場所が増えたのは私にとってありがたいことです。

しかし、やはり苦しい場所は多いです。

私はサウナが好きですが、人が多い時間に当たってしまうと地獄となります。
特に、地元の爺さんのマナーがなっていないと分かった場合、トラブルを避けるためにすぐに退散することとしています。

料金がもったいないですが、やむを得ません。

水風呂のそばでタンを吐く行為はもはや犯罪です。
また、私にとって『サウナ内において手で汗を拭う行為(ビチャビチャと物凄く不快な音を発する)』はめちゃくちゃ苦痛です。

文字に起こしているだけでもイライラします。

私は誰かと同居することも向いておらず、人間関係も上手くいかない事が多いです。一人が好きです。
愛おしい姪っ子や甥っ子であっても、永遠続く泣き声はどうしても無理です。絶対に手をあげたくないので、すぐ遠くに行くようにしています。
好きな人であれば多少は緩和される気がしますが、体調不良時の咳や鼻水にイライラし、衝動的に舌打ちをしてしまったり、文句を言ったりしてしまいます(体調不良でしんどい中、最低です)。

やはり、ミソフォニアを患ってしまうと、非常に生きづらいです。
最近はミソフォニアであることを公言するようにしていますが、理解を求めることは諦めています。

何故なら、私自身もトリガー音を発することもあり、矛盾甚だしいためです。
心の奥では「自分は心が狭い」と思ってしまいます。

トリガー音に影響を受けない、『自分だけの空間』が必要不可欠であるという考えに至りました。

まとめ:トリガー音を避けるしかない

以上、ミソフォニアを患う私の経験、生きていく上での工夫について書いてきました。

まとめです。

・はじめに:ミソフォニア(音嫌悪症)とは
 →私のトリガー音は、くしゃみ、咳払い、鼻をすする音、咀嚼音、飲み込む音、いびき、ゲップ、咳など
 →トリガー音を聞いた時の私の症状は、『抑えきれない怒り(殺意)』と、『焦燥感のような感情』

・私のミソフォニア(音嫌悪症)闘病記
 ①「心が狭い」と非難された幼少時代
 ②15年越しに病気だと知った大学時代
 ③うつ病により悪化したミソフォニア
 ④車生活・ホームレス生活で、人を避ける日々

ミソフォニアに関しては、
残念ながら、認知度もあまり高くなく、治療薬もないという現状です。

周囲に完全な理解を求めるのは難しく、
とにかく、トリガー音を避けるしかありません。

私のような車生活・ホームレス生活は極端ですが、
トリガー音に影響を受けない、『自分だけの空間』を取り入れてみることをおすすめします。

ミソフォニアの有病率は様々な情報があり、正確なことは分かっていないようです。

ミソフォニアの認知が広がり、患者への理解が進み、少しでも生きやすい社会になることを祈っています。
※ミソフォニア自身もトリガー音を発することもあるため、おこがましいことは分かっています。

私の病状や理解の進み具合に変化があれば、また記事を書きたいと思います。

石川県金沢市

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