第七章:情報拡散、インターネットを使った活動 からの続き
重要な転機となる『正義の味方ごっこ(被害者への説得活動)』があった。
2013.10.16~21
TwitterのDMとメールで情報提供をしていた相談者Aが、
直接の情報提供を望んできたため、10.24に情報提供へ出向くことに。
一人では心細いということで、相談者Bも一緒に来るという。
2013.10.24
18:30~21:30
東京にて情報提供。
友人がNINE(WARRENが名前を変えただけ)に入ってしまっているということで、
近いうちに説得を考えているということ。
相談者Bは実際に勧誘を受け、怪しいと思いネットで検索をかけ、すぐに気付けたという。
やはり、インターネットによる情報拡散は重要である。
また、被害者には2人の子会員がいるようだということで、
洗脳が深いのではないかと危惧し、相談者たちは説得の難しさを感じていた。
「是非とも力を貸して欲しい」と言うので、10.30の19時から東京での説得を予定し、解散。
2013.10.26
0:00頃、相談者Aからメール。
相談者Bと話し合い、『今がチャンス』と考え、急遽、二人で今から説得にあたるという。
電話をし、「加勢して欲しい」ということなので始発の電車で合流することに。
「私が合流するまでは説得に動かないで欲しい」と伝えたが、「2人で朝までに説得への手がかりを必ず掴む」ということで、夜中から2人で説得を開始していただくことになった。
出発の準備をし、寝る。
起床すると、相談者Aからメールが入っていた。
説得は成功し、あっさり納得してくれたということ。
「被害者がのりさんと話をしたがっている」ということなので、予定通り始発で出発。
7:00~12:15
千葉のカフェにて私、相談者A、相談者B、被害者の4人で話し合い。
被害者は現実を知り、ショックを受けているようであったが、真摯に受け止めていた。
勧誘し入会させてしまった子会員2人の責任をしっかり負うということであった。
NINEの内部情報を聞き出し、DVDが新しくなったことが確証となった。
新しいDVDを家に取って帰ってもらい、外観のみ確認する。
DVDの名前も変わり、完全リニューアルされていた。
本日中に子会員2人の説得は行い、
可能であれば親会員の説得も視野に入れることに。
12:30
サイゼリヤへ移動。
子会員2人をそれぞれ呼び出し、事情を説明。
説得はすんなりと上手くいった。
被害者は3人とも、近日中に消費者センターへ行く事になった。
残すは親会員の説得となり、子会員2人はここで解散し、また4人になる。
親会員は子会員が10名おり、かなりどっぷり組織にハマっているということなので、
アウェーに出向くのは危険と考え、親会員が苦手な土地に呼び出しをすることにした。
すでに勧誘を受けている相談者Bが、
『親会員の詳しい話を聞きたがっている』『あと一押しで入会しそうだ』という設定で呼び出し、
タイミングを見計らって私と相談者Aが合流して4人で親会員を囲む作戦で行くことにした。
親会員が目覚めないのであれば、縁を切るという覚悟を聞き出し、
一度きりのチャンスとして臨むこととした。
親会員は内部者を連れてくる可能性があったため、
その辺りの対策も徹底することに。
20:30
被害者と親会員が錦糸町駅で落ち合う。
私は遠くからその様子を伺い、内部者の存在が無いことを確認した。
時間差で内部者が来ないかも確認しながら、尾行する形でドトールへ。
席で待っていた相談者Bに対して親会員と被害者が話をはじめ、
私と相談者Aは背後の席で聞き耳を立て、親会員がボロを出すのを待つ。
相談者Bが紹介料について質問すると、「そんなものはない」とキッパリと否定。
嘘をついたこのタイミングを見計い、
被害者が「今日はNINEに詳しい人を連れてきた」と切り出し、4:1で囲む。
びっくりする素振りを見せず、強がる親会員。
「店に入ってきた時から背後の2人の存在には気づいていた」と言う始末。
※前述の通り、私は後から入店しているため、虚言である。
説得を進めるが、つよがりや虚言が多く、
話が噛み合わず、金田以来の虚しさを感じる。
相談者Aと相談者Bは、被害者を騙した親会員が憎く、
そのつよがる態度に対してイライラを隠せない。
一触即発の雰囲気に、仲裁するだけで精一杯な時間が続いた。
22:00
ドトールが閉店となり、
親会員が私に対し「あなたの話だけをもっと聞きたい。相談者たち2人は邪魔だ。」と言うので、サイゼリヤに移動。
もちろん、わが身が可愛いため、相談者たちにも付いて来てもらう。
もう一度最初から丁寧に説明をする。
違法性についても、これから待ち受ける末路についても、
自らしっかり理解してくれたようだが、
「勧誘してしまった友人たちに借金を残すのが耐えられない。」と言い、
やめられない様子。
「子会員を全員集めて話し合い、これまで得た利益を可能な限り分配して還元すれば、それで納得してくれる事例が多い。」と伝えるも、
「子会員に借金を残すのが耐えられない。」の一点張りで理解してもらえない。
この心理はいまだに理解することが出来ない。
煮え切らない親会員に対し、
被害者は親会員に縁を切ることを伝え、
親会員はそれを受け入れる。
それ以降も会話はするが話は進まず、
終電の時間になってしまったため、ここで解散となった。
0:00頃に解散。
久々に説得に失敗してしまったため、申し訳ない気持ちも強く、
疲労感でいっぱいになった。
※結果、親会員は退会せず、子会員たちの責任を取ることもなかった。
しかし、
『WARREN→NINEに改名したこと』
『販売するDVDを変更したこと』は、
これまでの私の活動による影響が大きいと思った。
このような姑息な手段しか取れない低脳悪徳業者であれば、絶対に勝てることも確信した。
被害者から新しいDVDも譲り受け、その後の説得では新旧両方のDVDを活用することとなる。
逃げるしか手が無い悪徳業者に対し、これからも徹底的に攻撃を仕掛けていくことを決めた。
2014.1.30
某報道局のテレビ番組でこの悪徳業者に対する報道があったことを知る。
テレビで取り上げられたのはこれが初めてであった。
ネット上での反響(Twitterや2chなど)が非常に大きく、
ここまで事態が大きくなったことが嬉しかった。
まさか、某報道局でテレビ放送される日が来るだなんて、当初は夢にも思わなかった。
この勢いに加勢したかったため、たまらず、某報道局に問い合わせ。
興奮のあまり、400文字の規制を考えず、1000文字オーバーに。
やっつけで400文字までにまとめ、感謝の意も込めて送信。
2014.2.1~2.5
翌日、某報道局の担当者から返信が来て、連絡をとるように。
メールでの情報提供を進め、さらなる詳しい情報提供のため、取材の依頼を受ける。
2014.2.12
18:00~22:30
某報道局の取材1回目。
資料を全て持参し、これまでの全てを伝える。
2014.4下旬
2013.10.26の被害者に対し、
消費者センター経由で消費者庁から情報提供の依頼があり、
被害者が私に話を回してくれた。
メールで担当者と連絡を取るようになる。
2014.5.7
消費者庁の担当者2名に直接会い、情報提供。
行政処分に直結する重要な情報提供であるため、
これまで入手した情報を全て、余すことなく伝え切った。
それ以降、
某報道局と消費者庁と連絡を取り合い、本格的な行政処分へ向けた活動となる。
並行し、ネットでの活動を続け、被害報告件数を上げていく。
毎日、大学の卒業研究に明け暮れていたが、
たまにある休みに被害者の説得に出向き、最新の情報も仕入れ、
随時、某報道局と消費者庁へ情報提供していた。
2014.3-7頃
この活動のアピールを目的に、国民生活センターの採用試験を受ける。
①書類選考、②筆記試験一次試験、③論文試験および第一次面接の3選考で、
よく分からない試験は適当に回答し、この『正義の味方ごっこ』の活動のことだけを全力でアピールする。
最終面接には進めなかったが、1つのネタでここまで進んだだけで上出来であった。
効果があったかは疑問だが、
とにかく、私が大学を卒業する2015.3までに行政処分を達成させたかったため、あらゆる手を尽くしていた。
いくつかの某報道局の報道に携わり、
2014.10月末頃から、行政処分が間近であるという情報が耳に入り、慌しくなる。
行政処分時の大々的な報道のため、最新の資料提供など、制作の協力をする。
被害者達もこの頃の報道の盛り上がりにソワソワしていた様子で、度々連絡を受ける。
「私に出来ることなら全力で協力する」と言ってくれた被害者に、某報道局出演の依頼をする。
2014.11.27
ついに行政処分。
※現在、報道時の資料は削除されている。残念。
当日、私が制作に関わった某報道局の報道がテレビで全国放送される。
私が情報提供した、見慣れた資料の中身がテレビに映し出される。
出演協力してくれた被害者が、顔を隠してインタビューを受ける様子が映し出される。
※出演協力してくれたことに、心から感謝している。
そして、
啓太の名前が『悪』として画面に表示される。
それを見て、
これまでの全ての努力が報われた気がした。
啓太の名前を『悪』として世の中に晒し、
社会的に抹殺するという目標を達成した。
その後、
啓太たちは「NATTAコーポレーション」と組織名を変えて53万円の投資必勝法USBの販売を再開したが、
一度汚名がついた手法は上手くいく訳がなく、完全に消滅していった。
最後の最後まで、残念な悪徳業者であった。
たった3ヶ月の行政処分でも、
永久的に効果は持続するため、この結果を残せたことは大きかった。
勧誘を受けた日から、4年以上かかった。
長かったが、あっという間であった。
とても充実した日々だったので、終わることが名残惜しかった。
私にとって、
この『正義の味方ごっこ』が、
人生で初めての『本気で頑張ること』となった。
「悪徳業者を潰した話」 完
追伸
親愛なる啓太さんへ
お元気ですか。
本当はこんなことを言ってはいけませんが、
正直なところ、
私は、心から悪徳業者と啓太さんの存在に感謝しています。
あなたが居なければ、
私は何の取り柄のないまま、何かに努力することもなく、
今よりもずっとずっと冴えない人生を送っていたことでしょう。
何も取り柄のなかった私に、
沢山の素晴らしい経験をさせていただき、
大きな成長を与えていただき、心から感謝しています。
佐々木とは、この経験を経て、大親友となりました。
佐々木は、この件から奮起し、持ち前の行動力を生かし、
一部上場企業の内定を獲得し、順調に出世し、今は可愛い奥さんと子供に恵まれています。
とても誇らしいです。
この場を借りて、改めてお伝えします。
啓太さん、
ありがとうございました。
あなたが優秀でなくて、
本当に助かりました。
私だったら、
もっと抜かりのない計画を立て、
行政処分されない悪徳組織を作ります。
後日、
下記題名で、
あなたの欠点を補った完全マニュアルを配信する予定です。
あなたの欠点を補った完全マニュアルを配信中です!(2021.2.17〜)
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価格は、
56万円です。
嘘です。
ろくな仕事も無いでしょうから、
無料で配信します。
あなたも、ある意味被害者であることを、
私は知っています。
3代目代表なのに、
1代目と2代目には逃げられ、
自分だけ処分を受けて、かわいそうですね。
でも、
そんな中途半端に生きてちゃダメですよ。
心機一転、
マニュアルを参考にして、
新しい悪徳組織を作ってみてはいかがでしょうか。
でも、
その時は、また私が潰します。
また会えるのを楽しみにしていてください。
本当に、
ありがとうございました。
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