今回は、
「サイドFIREの葛藤:ゼロで死ぬ難しさ、マイナスで死ぬ地獄」についてまとめていきます。
私は30代前半で4,000万円の資産を作り、
サイドFIREのような生活をしています。
サイドFIRE生活の中では、
様々な悩みや葛藤があります。
悩みや葛藤は割とネガティブなものですが、
私なりにそれらをポジティブに転換しています。
・DIE WITH ZEROのデメリットを知りたい人
・これからサイドFIREやFIREを目指す人
必見です。
サイドFIREへ向けた予習として参考にしたり、
共感していただけると嬉しいです。
〈この記事の対象者〉
・FIREやサイドFIREに興味がある人
・労働から解放されたい人
・今より自由に生きたい人
〈注意点〉
筆者の経験と考えを書いていきます。
共通点が多いほど参考になると思います。
〈筆者の特徴〉
30代前半、独身、超倹約家、元社畜、元薬剤師、ゆるいミニマリスト、賃貸暮らし(基本社宅で自己負担小)、負債ゼロ
本記事の目次は下記の通りです。
書籍「DIE WITH ZERO」のデメリット
書籍「DIE WITH ZERO」が2ー3年ほど前に流行りましたが、
私も約2年前に流行りに乗って読みました。
ネタバレを防ぐため、
インターネット上に上がっている情報のみ示します。
※是非読んでみて下さい
・DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール
【内容説明】
ゼロで死ね。経済学者も絶賛した、最上級に人生に響く生き方。
【目次】
ルール1 「今しかできないこと」に投資する
ルール2 一刻も早く経験に金を使う
ルール3 ゼロで死ぬ
ルール4 人生最後の日を意識する
ルール5 子どもには死ぬ「前」に与える
ルール6 年齢にあわせて「金、健康、時間」を最適化する
ルール7 やりたいことの「賞味期限」を意識する
ルール8 45~60歳に資産を取り崩し始める
ルール9 大胆にリスクを取る
本書は、
冒頭に寓話「アリとキリギリス」を挙げ、
飢え死をしたキリギリスを過小評価すること、
勤勉なアリを過大評価することに警笛を鳴らしています。
アリは短い人生を奴隷のように働いて過ごして死ぬのか?
キリギリスのように楽しい時を過ごす時はあるのか?
これは、
アリのような生き方をする倹約家と、
キリギリスのような生き方をする浪費家を対比していると考えます。
つまり、
私のような倹約家(アリ)に向けられたメッセージだと考え、
真摯に受け止めました。
「本当の人生」を生きること、
ただ生きるだけではなく十分に生きること、
経済的に豊かになるだけではなく人生を豊かにするための方法を考えるための良書です。
ただし、
この「ゼロで死ぬ」というのは非常に難しい話であり、
本書には大きなデメリットがあると考えています。
詳しく解説していきます。
ゼロで死ぬ難しさ
「DIE WITH ZERO」においても、
「ゼロで死ぬことを目標にすることに価値がある」と述べられています。
その通り、
「ゼロで死ぬ」というのは非常に難しいのです。
挑戦することに価値がある
「ゼロで死ぬ」という挑戦をすることに意味があるため、
本書は多くの人の意識を変えることに成功したと思います。
人生は有限であり幸せを先延ばしにしては勿体ないこと、
経験を積み重ねると人間は幸せになれること、
お金の価値は加齢とともに低下すること、
お金の価値を最大化できる年齢は26〜35歳であること、
とても共感でき納得できる内容でした。
誰かにお金を与えるなら早い方が良いこと、
相続として死後に貰うと嬉しさも価値も半減すること、
生きている時に渡せば喜ぶ姿を見ることができること、
これまで意識したことが無かったためとても勉強になりました。
節約生活をする中、
「お金を使わずに死んだら勿体ない!」
という言葉は頻繁に耳にしてきましたが、
本書ほど納得できることはありませんでした。
特に無計画な浪費家(キリギリス)たちが発する「お金を使わずに死んだら勿体ない!」には全く説得力がなく、
「どの口が言うんだ」と苛立ちすら感じていました。
お金を貯め込みすぎることを恐れ、
私が資産4,000万円で労働から離れる勇気を持てたのは、
この本の影響も少なからずあったかもしれません。
しかし、
「DIE WITH ZERO」の内容を全面的に受け入れるのは難しい話です。
無意識のうちにセーブしてしまう
「DIE WITH ZERO」の内容を理解しても、
その通りに実行するのは非常に難しいです。
本書でも述べられている通り、
多くの人はお金を貯めすぎてしまいます。
倹約家(アリ)である私も、
節約癖が染み付いた結果お金の使い方が分からなくなり、
経験のための「十分な自己投資」ができているとは言えません。
せっかく若い時に自由な時間を手にしたのに、
海外に行ったりせず、
図書館に籠もって読書や勉強をし、
このブログを書く日々を送っています。
きっと、
節約の癖がたたり、
無意識のうちにセーブしてしまっています。
「モノを買わないこと」に釣られて、
「十分な自己投資」もできなくなってしまう問題が発生しました。
※下記記事で詳しく解説しています
そして、
最終的に「ゼロで死ぬ」ということは非常に困難です。
「ゼロで死ぬ」を目指す場合、
「マイナスで死ぬ」という可能性が急浮上するからです。
マイナスで死ぬ地獄
「ゼロで死ぬ」を目指せば目指すほど、
「マイナスで死ぬ」リスクを抱えることになります。
「死ぬ時に残すお金=機会損失」と捉えてしまうと、
余裕があればあるほど勿体なく感じ、
ギリギリを狙ってしまうと思います。
もちろん、
ギリギリを狙えば狙うほど危険です。
計画的な倹約家(アリ)にとって、
そんな余裕がない計画を立てることは恐ろしくて出来ません。
そもそも、
「ゼロで死ぬ」という言葉を間に受けてしまうのは、
無計画でリスク管理ができない浪費家(キリギリス)たちであり、
これが大きな問題だと考えています。
キリギリスのような生き方をする浪費家たちが、
「自分たちの生き方を肯定してくれる」本書に感銘を受けるのは非常に危険です。
「DIE WITH ZERO」はアリに対する本である
普段から「お金を使わずに死んだら勿体ない!」と口にし、
その言葉を信じたい浪費家が「DIE WITH ZERO」に飛びつくのは当たり前の心理かもしれません。
そして、
「やはり俺たちが正しいんだ!」
「やはりアリみたいな生き方は馬鹿だ!」
とでも言いたげです。
しかし、
残念ながら「DIE WITH ZERO」はアリに対する本であり、
キリギリスに対する本ではありません。
本書は、
飢え死をしたキリギリスを過小評価すること、
勤勉なアリを過大評価することに警笛を鳴らし、
この中間の「よきバランス」を目指せと説いています。
よって、
キリギリスはアリに寄らなければならず、
「ゼロで死ぬ」よりも「プラスで死ぬ」に意識を変えなければ危険です。
キリギリスが本書を間に受けてしまえば、
その無計画さゆえに、
長生きリスクに怯える地獄を味わうことでしょう。
運悪く長生きリスクに負けた結果、
「マイナスで死ぬ」ことになり、
子供たちや社会に迷惑をかけることになります。
それはあまりにも自己中心的であり、
あまりにも無責任だと考えています。
他人に迷惑をかけて長生きするくらいだったら、
最初の冬で早期に飢え死にするキリギリスの方がまだマシです。
そして、
「お金が底を尽きること」と「命が続くこと」を天秤にかけなければならないことは、
幸せの真逆にあると思います。
見栄っ張りで散財し続けた私の祖母(キリギリス)も、
今現在自分の子供たちに毎月十数万円の負担をかけ続けています。
マイナスで死ぬことになる祖母(キリギリス)の話
昔から浪費家で見栄っ張りであった私の祖母(キリギリス)は、
まさにマイナスで死のうとしています。
※少し冷酷ですがリアルな話です
長年にわたる見栄っ張りによって所持金はとうの昔に尽き、
今まさにマイナスを拡大しながら生き続けています。
※「見栄っ張り」に関しては下記記事で詳しく解説しています
最初は「母のためにだったら幾らでも出す!」と言っていた叔母たちも、
予想外の長生きリスクに疲弊し、
数年前にした延命治療を後悔している様子が窺えます。
余計な延命治療をしてしまった結果、
毎月十数万円のマイナスを拡大し続けて生きているのです。
※さらに葬式代など、最後の最後まで迷惑をかける
私も在宅医療の薬剤師として多くの患者の介護と死を目にしてきましたが、
長生きリスクに疲弊する家族は数多く目にしてきました。
亡くなった途端、
顔色が明るくなる家族がたくさん居ました。
誰も口に出すことはありませんが、
「介護から早く解放されたい」と願う人が多いのは、
肉体面からも精神面からも金銭面からも自然な話です。
そのタブーに切り込んだ映画「ロストケア」は是非観て欲しいです。
「マイナスで死ぬ」は周りの人間を不幸にする地獄であり、
介護疲れによる殺人が増加していることからも目を背けてはいけません。
決して、
綺麗事ばかり言ってはいられないということです。
こうして「マイナスで死ぬ」地獄を間近で見てしまうと、
ますます「ゼロで死ぬ」を目指すことが難しくなります。
まとめ:「マイナスで死ぬ」より「プラスで死ぬ」の方が一億倍マシ
以上、
「サイドFIREの葛藤:ゼロで死ぬ難しさ、マイナスで死ぬ地獄」についてでした。
まとめです。
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書籍「DIE WITH ZERO」のデメリット
①ゼロで死ぬ難しさ
→挑戦することに価値がある
→無意識のうちにセーブしてしまう
②マイナスで死ぬ地獄
→「DIE WITH ZERO」はアリに対する本である
→マイナスで死ぬことになる祖母(キリギリス)の話
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「ゼロで死ぬ難しさ」「マイナスで死ぬ地獄」について述べてきました。
書籍「DIE WITH ZERO」は良書ですが、
取り扱いには注意が必要です。
特に「DIE WITH ZERO」はアリに対する本であるため、
キリギリスが鵜呑みにするのはかなり危険だと考えています。
キリギリスが「DIE WITH ZERO」を鵜呑みにすれば、
きっと「マイナスで死ぬ地獄」を味わうことになるでしょう。
アリである私は、
出来る限りキリギリスの要素も持ち、
サイドFIRE生活で自由な時間を大切にしつつ、
お金を増やしすぎないよう気を付けて生きていこうと考えています。
しかし、
今後もなんだかんだ働いて稼ぎ、
お金を増やすと思います。
そして、
確実に「プラスで死ぬ」ことになるでしょう。
しかし、
予定よりも多くのお金を残す末路になったとしても本望です。
少なくとも、
「マイナスで死ぬ」よりは後悔しない自信があります。
「マイナスで死ぬ」より「プラスで死ぬ」の方が一億倍マシです。
「ゼロで死ぬ」を目指すことは「マイナスで死ぬ」リスクを持ち、
あまりにも自己中心的であり、
あまりにも無責任であることも理解すべきです。
「DIE WITH ZERO」のデメリットを知り、
取り扱いには気を付けていきましょう。
その他、
「サイドFIREの葛藤」シリーズの記事を沢山書いています。
※是非読んでみてください
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