解説3:詐欺師に騙されないためにつけるべき知識・考え方 からの続き
この記事では、
『洗脳を解くコツ』『詐欺の勧誘を受けた時の行動』について解説します。
私が潰した詐欺師に基づいて、
被害者を説得し、
洗脳を解き、
退会させるコツをお伝えしますが、
その他の悪徳業者・詐欺にも部分的に有効だと考えています。
「詐欺師を潰した話(全8話)」を読んでからの方が分かりやすいので、
先にそちらを一読いただければ幸いです。
本記事の構成は下記目次の通りです。
はじめに:説得するか、しないか(救うか、救わないか)
友人などから詐欺の勧誘を受けた際、
あなたはどうしますか?
詐欺の勧誘を受けたことがある方は、
どういう行動をしましたか?
勧誘を受けたあなたは、
必ず動揺します。
親しければ親しいほど、
混乱するでしょう。
怒りや悲しみ、
その友人との思い出、
様々なことが頭をめぐり、
冷静でいられなくなると思います。
感情的になりがちな状況ですが、
まずは冷静になり、
情報収集を徹底してください。
そして、
その悪徳業者の情報が集まった後、
勧誘してきた友人との今後を考えた上で、
その友人を救うか救わないかを決めてください。
あなた方の関係性にもよりますし、
詐欺の内容によっては説得に大きなリスクもあります。
必ずしも救う必要はありません。
それでも「友人を救いたい」と思ったあなたは、
友人を説得し、
洗脳されている場合は洗脳を解かなければなりません。
本記事では、
約50名の詐欺被害者の説得を行った私自身の経験に基づき、
効果的な説得方法および洗脳を解くコツを提供していきたいと思います。
少しでも成功する確率が上がるよう、
お力になれればと思います。
なお、
私はプロではないので、
本格的な催眠のような話は致しません。
難しい単語もあまり使いたくありません。
出来るだけ、
簡単に説明していきます。
それでは、
解説します。
洗脳を解くコツ5選
説得は初回に魂を込めろ!
まず最初に、
とても重要なことをお伝えします。
情報収集や準備が不十分な状況での『中途半端な説得』はしないほうが望ましいです。
友人を救うと決心したのであれば、
『完成度の高い説得』により一発で仕留めることが大切です。
洗脳が絡む詐欺においては、
説得は一回きりのチャンスだと思ってください。
中途半端なジャブを打つことで、
「会員を奪われる」と悟った詐欺師(組織の内部者)に警戒されます。
その後話し合いをしようにも上位会員が常に付いてくるなど、
ガチガチに囲い込まれるような厄介な展開になりかねません。
私も一度、
そのような失敗を経験しました。
別の記事で詳しく記載します。
友人を救うのであれば、
準備を徹底し、
初回に魂を込めましょう。
2回目のチャンスはないと思ってください。
また、
『後悔回避バイアス』により、
洗脳は日に日に深くなります。
あまりのんびり準備している時間はありません。
これから伝える内容について、
迅速に動きましょう。
徹底的な情報収集
冒頭にも少し述べたように、
まずは徹底的な情報収集が必要です。
情報なしで説得するのは、
素手でライオンと戦うようなものです。
相手は人を騙すプロです。
まず不可能だと思ってください。
下記ポイントを中心に、
徹底的に調べましょう。
・悪徳業者の勧誘手口
・心理テクニック
・内部情報(組織の活動の全容、内部者情報)
・類似手口の悪徳業者の末路(行政処分事例)
インターネットを使って検索をかけ、
すでに大きな問題となっており、
多くの情報が安易に手に入れば良いですが、
私が経験したような「新規性の高い詐欺」であればそうは行きません。
下記書籍はとても参考になります。
また、
その他のおすすめの書籍はこちらを参考にして下さい。
多くの知識を入れておきましょう。
また、
あなたは詐欺の勧誘を受けた被害者なので、
騙されたフリをして、
悪徳業者の人たちを少し騙しても良いです。
ただし、
本契約を行ったのちにクーリングオフをするような行動はお勧めしません。
一度契約したことが、
あなたにとっての不利益になる可能性もあります。
また、
ミイラ取りがミイラになる可能性もあります。
相手はプロの詐欺師です。
舐めてかかってはいけません。
詐欺師と戦うときは、
下記の言葉を忘れないようにしましょう。
怪物と戦うものは、
その過程で自らが怪物とならぬよう気をつけよ
深淵をのぞく時、
深淵もまたこちらをのぞいているのだ
契約に至らない範囲で、
興味があるフリをし、
悩んでいるフリをし、
騙されたフリをすることで詳しい内部情報を聞き出し、
情報収集を行いましょう。
悪徳業者の勧誘手口の情報収集により、
法律的に怪しい部分が見つかれば、
特定商取引法を用いて問題点となる根拠を示せるよう、
勉強しましょう。
また、
類似手口の悪徳業者の末路(行政処分事例)の情報を手に入れることも1つの大きな鍵となります。
『このまま活動を続けると、どういう末路が待っているのか』
明確に示せる情報があれば非常に効果的です。
国民生活センターの過去の記事などを徹底的に調べ、
最も類似した手口の行政処分例を用意しましょう。
その他、
怪しいと思う部分があれば、
矛盾点を突けるように準備しましょう。
説得の際、
相手をうろたえさせ、
自信を奪う効果があります。
多くの情報を迅速に入手し、
あらゆる方向から攻めましょう。
勧誘のやり方を再現する
悪徳業者の勧誘手口および心理テクニックを学び、
その知識を説得の場面で出来る限り応用しましょう。
私は下記記事に書いた内容を準備していました。
勧誘の時にターゲットがアウェーに連れ出されるのと同様に、
説得をする時はこちらが有利な状況を揃えていかなければなりません。
相手にとってのアウェーに持ちこみます。
『洗脳には洗脳で対抗』です。
怒りがある場合は怒りを原動力にし、
徹底的にやり返しましょう。
被害者は一度洗脳を受けている被洗脳者です。
洗脳されやすい状況にあるため、
再度洗脳するチャンスでもあります。
相手を一人で呼び出し、
こちらが複数で対応し、
数的優位で攻めることが必須条件です。
悪徳業者は数的優位により勧誘し、
洗脳する手を使っているため、
説得の際はこちらが数的優位になって『多数者効果』を用いることが非常に効果的です。
呼び出すときも、『ローボールテクニック』を用いて、
「2人で晩ご飯を食べに行きたい」などと言っておびき寄せ、
最初は他の協力者には隠れてもらい、
徐々に本題を明かし、
徐々にこちらの人数を増やしていく形をとるのも効果的です。
勧誘の時のことをやり返しているだけなので、
多少の嘘に罪悪感を感じる必要は全くありません。
証拠を突きつけ、未来を想像させる
悪い未来を『想像をさせること』が重要
説得の本題に入ったら、
上記の『徹底的な情報収集』で用意した情報を証拠として突きつけましょう。
『違法性の説明』ができ、
『類似手口の悪徳業者の末路の情報(行政処分事例)』があれば非常に強いです。
上記2つの証拠により、
「このまま活動を続けると、
どういう末路が待っているのか」
行政処分が待ち受ける未来を簡単に想像させることができます。
重要なのは、
『想像させること』です。
「このままいくと、絶対に行政処分を受け、犯罪者の一員とみなされる!」などと、
こちら側から強く主張するのは得策ではありません。
そもそも洗脳されている人間とは会話が成立しません。
頭ごなしに正論を突きつけても、
喧嘩になるだけでお互いにストレスが溜まるだけです。
私は、
第七章:情報拡散、インターネットを使った活動に記載した通り、
当該悪徳業者の最新の報道資料を用いながら『違法性の説明』を行い、
『類似手口の詐欺の末路の情報』としてマイクロシステムテクノロジー社の行政処分の資料の説明を行いました。
すると、
この2つの説明をしただけで、
被害者は「このまま活動を続けるといずれ行政処分を受ける」と想像し、
この組織に居続けることの危険性を察知し、辞める意思を伝えてくるのでした。
最初は喧嘩腰だった被害者も、
この話をするだけで態度が急変していくのでとても興味深かったです。
証拠を突きつけて、
未来を想像させる。
これが、
洗脳を解くために最も効果的な手法でした。
神話を崩す
洗脳の要素を含む悪徳業者の場合、
何かしらの『神話』があります。
勧誘の時から新興宗教のような気持ち悪さを感じると思うので、
その正体を突き詰めてください。
私が潰した詐欺師の場合、
下記のような神話がありました。
「WARRENは特別な人間のみで結束している」
「WARRENの活動は完全なる極秘である」
「啓太さん(悪徳業者のトップ)は凄い」
説得の際に、
これらの神話を、
部外者である私が全て粉砕しました。
第六章:脱洗脳の連鎖、組織壊滅へに記載したとおり、
私はこの組織の内部情報(組織の活動の全容、内部者情報)についてかなり勉強しました。
全てを暗記し、
会ったこともない幹部の人間の特徴も完璧に言えるまでになりました。
部外者の私がWARRENの活動や内部情報の全てを知ることで、
「WARRENは特別な人間のみで結束している」
「WARRENの活動は完全なる極秘である」
という神話を完全に崩壊させました。
また、
被害者から投資必勝法DVDの現物を預かり、
私が説得現場に持参しました。
不思議な話ですが、
部外者の私が手に持つだけで、
56万円の投資必勝法DVDの価値は一瞬で地に落ちました。
部外者の私が被害者の目の前でDVDをベタベタ触るだけで神話が崩れました。
さらに、
悪徳業者のトップが重大なミスを犯してくれました。
親友の佐々木(被害者)宛に送付してきた『理不尽な返金要求文書』についても、
『啓太は詐欺師である』という大きな証拠となったため、
「啓太さんは凄い」という神話を崩すために活用しました。
あなたが組織の部外者であれば、
徹底的に組織の内部情報を知ってください。
そして、
説得に出向いた際、
知っている情報を話すことで、
神話を崩してください。
あなたが組織の元内部者であれば、
協力してくれる外部の友人を一人探し、
その友人に神話を崩す役割を依頼するのもかなり効果的な手段だと思います。
組織の全てを覚えるのは少しだけ大変ですが、
本気で救いたいのであれば、
説得の成功確率を上げるためにやってみる価値はあると思います。
まとめ:後悔しないよう、一度は説得にチャレンジしよう
以上、
私の経験に基づく「洗脳を解くコツ」を紹介しました。
まとめです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
はじめに:説得するか、しないか(救うか、救わないか)
→リスクもあるので、必ずしも救う必要はない
救うと決めたのであれば、徹底的にやる
洗脳を解くコツ5選
①説得は初回に魂を込めろ!
→1回失敗したら、2回目のチャンスはない
②徹底的な情報収集
→騙されたフリをして、悪徳業者の人たちを騙しても良い
③勧誘のやり方を再現する
→『洗脳には洗脳で対抗』、徹底的にやり返す
④証拠を突きつけ、未来を想像させる
→洗脳されている人間に正論を並べるのは得策ではない
⑤神話を崩す
→悪徳業者の部外者が果たせる役割は大きい
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その他、
説得時に使っていた具体的なセリフなどは、
別記事で紹介します。
・説得の際に私が被害者にかけていた言葉について
冒頭に、
「救うか救わないかはあなた次第だ」と言いましたが、
私個人としては、
友人の将来のために一度は説得して欲しいと考えています。
私も親友から詐欺の勧誘を受け、
本気で悩みました。
何度か、
本気で見捨てようと思いました。
しかし、
行動して良かったと心から思っています。
私の場合は運良く結果が伴いましたが、
説得に失敗したとしてもスッキリしたと思います。
『やらない後悔』はずっと残り続けると思います。
どうか、
悔いのない選択をして下さい。
解説5:悪徳業者を潰す具体的な方法、悪徳業者が嫌がること へ続く
コメント