【本当の自由】選択肢が多すぎて自由の刑に処せられる【サイドFIREの葛藤】

⑥哲学者ごっこ

今回は、
「サイドFIREの葛藤:選択肢が多すぎて自由の刑に処せられる」についてまとめていきます。

私は30代前半で4,000万円の資産を作り、
サイドFIREのような生活をしています。

サイドFIRE生活の中では、
様々な悩みや葛藤があります。

悩みや葛藤は割とネガティブなものですが、
私なりにそれらをポジティブに転換しています。

・選択肢が多すぎて自由の刑に処せられている人
・これからサイドFIREやFIREを目指す人

必見です。

サイドFIREへ向けた予習として参考にしたり、
共感していただけると嬉しいです。

〈この記事の対象者〉
・FIREやサイドFIREに興味がある人
・労働から解放されたい人
・今より自由に生きたい人

〈注意点〉
筆者の経験と考えを書いていきます。
共通点が多いほど参考になると思います。

〈筆者の特徴〉
30代前半、独身、超倹約家、元社畜、元薬剤師、ゆるいミニマリスト、賃貸暮らし(基本社宅で自己負担小)、負債ゼロ

本記事の構成は、下記の通りです。

「自由の刑に処せられている」哲学者サルトルの言葉

私は資産4,000万円を契機に、
仕事を辞めてサイドFIREを選択することにしました。

今は、
サイドFIREにより獲得した「自由な時間」で、
超自由に「思考」を繰り返しています。

お金も体力もあるので、
世界一周をしても良いし、
何をするも自由です。

サイドFIRE達成後、
特に「自由」についてよく考えました。

自由とは何か?

「自由とは、選択肢が多いことだ」
と信じていた時期もありました。

そして、
人生の選択肢を増やすために20代で努力を重ね、
30代前半でサイドFIRE生活を手に入れました。

しかし、
「選択肢は多いほど良い」というわけではありませんでした。

※詳しくは後述していきます

サイドFIRE生活に入ってからというものの、
哲学・思考の時間が増えたが故に、
思考のループに陥っています。

哲学者サルトルが言った、
「人間は自由の刑に処せられている」という言葉が身に滲みています。

そんなサイドFIREの葛藤について、
特に「選択と自由」「自由の刑」について、
思考・勉強してきた結果をまとめていきます。

選択肢と自由について

私は、
「自由とは、選択肢が多いことだ」と信じ、
人生の選択肢を増やすべく努力してきました。

しかし、
実際は「選択肢は多いほど良い」というわけではありませんでした。

選択肢の多すぎる、
超自由なサイドFIRE生活を手にした結果、
「いっそ誰かに何かを決められた方が楽である」と、
思った瞬間すらありました。

※当日の行き先をサイコロで決めた日もあります

その理由を解き明かすため、
「選択肢と自由」に関する話を5つ挙げて、
それぞれについて詳しく解説していきます。

マシュマロテストの再現実験

有名な「マシュマロテスト」という実験があります。

実験の概要は下記の通りです。
※Wikipediaより引用

被験者である(就学前の)子どもは、
気が散るようなものが何もない机と椅子だけの部屋に通され、
椅子に座るよう言われる。

机の上には皿があり、
マシュマロが一個載っている。

実験者は、
「私はちょっと用がある。それはキミにあげるけど、私が戻ってくるまで15分の間食べるのを我慢してたら、マシュマロをもうひとつあげる。私がいない間にそれを食べたら、ふたつ目はなしだよ」と言って、
部屋を出ていく。

要するに、
「自制心」があるかどうか(我慢できるかどうか)を測る実験です。

これも一種の「選択」の問題です。

今すぐ1個のマシュマロを手にするか、
15分我慢することで2個のマシュマロを手にするか、
2つの選択肢が存在します。

この実験は追跡検証も行われ、
就学前における「自制心」の有無は十数年を経た後も持続していることが分かりました。


そして、
「2個目のマシュマロを手に入れる自制心」を持つ子供は、

その後の人生における社会的な成功度が高いことが分かりました。

「自制心」、
つまり「将来のより大きな成果のために、自己の衝動や感情をコントロールし、目先の欲求を辛抱する能力」は、
社会における成功に重要であることは想像しやすい話です。

ついこの前まで、
私はここまでの話しか知りませんでした。

再現実験が行われており、
この話には続きがあります。

再現実験の結果、
「2個目のマシュマロを手に入れる自制心」は、

「被験者の経済的背景」と相関が高いことが分かりました。

つまり、
社会的な成功の要因としては、
「2個目のマシュマロを手に入れる自制心」よりも、

「被験者が経済的に恵まれていたかどうか」が重要だということです。

格差が拡大し続ける社会の闇が垣間見え、
切ない思いになります。

「自制心」のある”我慢のできる子”がのちの人生で成功するわけでなく、
「自制心」のない”我慢のできない子”は恵まれた環境にいないため、
「今」を選択せざるを得ないとも言えると思います。

「2個目のマシュマロを手に入れる自制心」は、
人生における余裕を表しているのかもしれません。

また、
マシュマロテストは、
金利にも似ていると思います。

「2個目のマシュマロを手に入れる自制心」は、
15分で100%という超好条件の利益を生み出します。

冷静に考えれば、
その「15分」という対価は払うべきです。

※マシュマロが嫌いでない限り

目の前のお金に余裕がなく借金をして金利を払い続けるか、
それとも目の前のお金を将来の投資に回して「複利効果」の恩恵を受け続けるか、
この構図に似ていると考えています。

貧困に苦しむ「余裕のない人生」であれば、
確実に目の前の選択肢が減り続けていきます。

常に「今」を考えた選択肢しか選択できなくなります。

恵まれない子供たちにとって、
マシュマロテストは「選択肢が1つしかない」のかもしれません。

選択肢が少ないこと、
特に「選択肢が1つしかない」というのは言うまでもなく地獄です。

そして、
その格差は「複利効果」でますます広がっていきます。

それでは、
選択肢は多ければ多いほど良いのか?

次はその点について考えていきます。

ジャムの法則(ジャム理論)

選択肢は多ければ多いほど良いのか?

それに対する回答は、
「No」ということが報告されています。

ジャムの法則(ジャム理論)というものがあり、
下記のような実験が行われました。

スーパーマーケットに買い物に来たお客さんに対し、
ジャムの試食販売を行った。

下記2つのグループに分け、
足を止めて試食をした人数・購入率を計測した。

①24種類のジャムが置いてあるグループ
②6種類のジャムが置いてあるグループ

その結果、
①の24種類の試食があったグループの購入者は3%だったのに対し、
②の6種類のみの試食があったグループは30%の人が購入し、
実に10倍にも差が開きました。

選択肢が少ない方が、
圧倒的に良く売れるということです。

選択肢が多ければ多いというモノではなく、
「選択」に対する悩みを生み、
ストレスを生むというデメリットもあります。

そして、
選択後も「果たしてこれで良かったのか?」と、
商品に対する満足度が低くなってしまうといいます。

選択肢が多ければ多いほど、
他のモノを選ぶ「他の世界線」が多いため、
無駄な思考や後悔も生んでしまうのです。

商売においては、
お客様にとって「選びやすい状況」を作ることが重要であることが分かります。

選択肢が多すぎるのも問題であり、
人生における自由度が高すぎるのも問題ということです。

7±2の選択肢がベスト

それでは、
適切な選択肢の数はどれくらいなのでしょうか?

前述の「ジャムの法則(ジャム理論)」の実験を行った教授は、
人がストレスなく自信をもって選択できる選択肢の数は、
7±2(5~9)だと結論付けました。

少なければ言うまでもなく「地獄」であり、
多すぎても「ストレス」や「後悔」を生みます。

7±2(5~9)という数は、
なんとなくしっくりくる感覚があります。

人生における選択肢も、
常に7±2(5~9)個くらい持っておくことが、
幸せに生きるコツなのかもしれません。

医療における選択

また、
医療における選択にも興味深い話があります。

医療における選択は、
下記のような歴史を辿ってきました。

パターナリズム(父権主義)
医療従事者が患者に干渉してその自由・権利に制限を加えることを当然視すること。
いわゆる「医療の押し付け」で、自己決定権の侵害が問題となる。

②インフォームド・コンセント(説明と合意)
治療や臨床試験の内容についてよく説明を受け十分理解した上で、
患者自らの自由意志に基づいて医療従事者と方針において合意すること。

③インフォームド・チョイス(説明と選択)
選択可能な治療方針が複数ある場合、
患者が主体的に複数の方針からひとつを選択すること。
※十分に浸透していない

この件においても、
選択肢と自由について大いに考えさせられます。

①のパターナリズム(父権主義)は患者の選択肢がなく、
言わずもがな独裁かつ冷酷であり、
患者にとって「地獄」です。

一方、
一番選択肢の多い
③のインフォームド・チョイス(説明と選択)はどうかというと、
こちらにも問題があることが分かっています。

選択肢があることにより、
患者への責任の重圧がのしかかり、
「ストレス」や「後悔」を生んでしまうのです。

結局のところ、
②のインフォームド・コンセント(説明と合意)が望ましいと言われることが多く、
今も医療における主流となっています。

患者には「同意する自由」と「拒否する自由」があり、
拒否した場合はまた新たな説明を受けるような流れになります。

※セカンドオピニオンを含め

医療における選択肢は限られており、
適切な選択肢数は7±2(5~9)の範疇から下方に外れる事例ではあります。

しかし、
ここにも「選択肢数の程よさ」が強く表れていると思います。

「人生の主導権を握っている」という感覚が超重要

また、
選択肢と同じように大切な要素があると言われています。

それは、
「コントロール感」です。

日々大きなストレスを抱えている「企業の社長」と、
ストレスの少ない環境で生きる「動物園の動物」、
それぞれの寿命がそれぞれの平均寿命と比較して長いか短いか。

多くの人の予想と反し、
「企業の社長」の寿命は長く、
「動物園の動物」の寿命は短いことが分かっています。

これは、
「コントロール感」によるものだと言われています。

日々の過労などによるストレスの蓄積よりも、
「自分の人生の主導権を握っている」という感覚の方が、

人体に与える影響が圧倒的に大きいということです。

「企業の社長」は大きなストレスを抱えつつも、
自分で会社を動かし、
(表現が悪いですが)部下をコントロールしています。

一方、
ストレスがかからないよう計算され、
快適で生きやすい環境に置かれる「動物園の動物」は、
決まった時間に出てくる栄養満点の餌にも、
「非コントロール感」を潜在的に感じ取っているということです。

その栄養満点の餌は自分で獲得したものでなく、
「与えられているもの」だと潜在的に感じ取り、
「いつ終わるか分からない」恐怖とストレスに蝕まれ続けています。

そう考えると、
「コントロール感」は非常に重要だと思います。

自分の人生の主導権を握ることが超重要であり、
生殺与奪権だけは死守する必要があります。

「自由の刑」を打破する方法

「自由の刑」を打破する方法について、
3つの段階に分けて詳しく解説していきます。

①若いうちは出来る限り選択肢を増やす

まずは、
自分の人生の主導権を握ること、
生殺与奪権だけは死守することが重要です。

絶対に、
他人に生かされてはいけません。

選択肢が少ない状態、
特に選択肢が1つしかないような状態は、
他人の人生を生きているようなモノです。

マシュマロテストで「選択肢が1つしかない」恵まれない子供になれば、
選択肢が少ないループから抜け出すことは困難を極めます。

誰が何と言おうと、
まずは人生の可能性を広げるため、
選択肢を可能な限り増やすことが大切です。

これまで「自由の刑」について否定的なことを書いてきましたが、
あえて「自由の刑」を受けに行くようなイメージです。

それが自由への第一歩です。

「選択肢が少ない地獄」だけは、
必ず回避しましょう。

その地獄に陥ってしまえば、
抜け出すことは困難を極めます。

存在しない「一発逆転」に賭け続け、
さらに搾取され続ける運命です。

まずは、
若いうちに大きな資産を作り、

人生の選択肢を増やすことをお勧めします。

個人的には、
若いうちに「仕事をしなくても良い」という選択肢を獲得することが、
精神衛生上最強だと考えています。

1,000万円以上の大きな資産があれば、
「仕事をしなくても良い」という選択肢を手に入れることが出来ます。

「生きるための仕事」から解放されるため、
仕事を選ぶことが出来ます。

仕事に関する選択肢を増やすことは、
非常に重要だと考えています。

また、
そのためには必死に勉強する必要があります。

若いうちにまとまった資産と知識・技術、
稼げる資格などが手に入れば、
人生の選択肢は格段に増えます。

※資格には賛否がありますが

必死に勉強して努力し、
若いうちに周りとの差をつけ、
周りとは比較できないほどの選択肢を手に入れましょう。

当然、
「自由な時間」を手に入れるために、

FIREやサイドFIREも視野に入ってくると思います。

とにかく、
人生の選択肢を増やすため、

20代は周りに流されることなく、
必死で努力し続けることを強くお勧めします。

※個人的には出世を推しています

また、
「結婚」や「マイホーム」「借金(ローン)」などは、

人生の選択肢を激減させるため、
若いうちは禁忌です。
※良い借金であれば良いですが、その分別がつかない人間がほとんどです

20代で焦る意味は全くありません。

よく考え、
よく学んでから行動しましょう。

正直な話、
「自由の刑」は超贅沢で嬉しい悩みです。

膨大な選択肢を得て、
「自由の刑」に処せられてから、
大いに悩みましょう。

②要らない選択肢を潔く捨てる

若いうちにサイドFIREやFIREを達成すれば、
多くの選択肢を獲得し、
「自由の刑」に処せられることとなります。

何もかも自由で、
他の人の何倍も選択肢を持つことが出来ます。

「自由の刑」は超贅沢で嬉しい悩みです。

この段階で、
容赦無く選択肢を減らすことが重要となります。

「もったいない精神」で選択肢を保有し続れば、
なんだかんだ保有のストレスを抱えることとなるため、
潔く捨てる必要があります。

時間もお金もある程度あると、
世の中の魅力的なものに目移りしがちです。

色々なものに手を出し、
あれこれ考え、
結局何も成し遂げず、
ただの時間の浪費になってしまうことも多々あります。

正直もったいないですが、
捨てることに躊躇してはなりません。

選択と集中により、
人生は豊かになります。

③自分にとって「適切な選択肢の数」を保ち続ける

前述の通り、
人がストレスなく自信をもって選択できる選択肢の数は、
7±2(5~9)だと言われています。

しかし、
人それぞれ「適切な選択肢の数」があると思います。

より自由を好むような人は、
比較的多くの選択肢を保つ方が幸せでしょう。

逆に、
比較的少ない選択肢の数の方が落ち着く人もいると思います。

自分にとって「適切な選択肢の数」を保ち続けることが、
幸せな人生を送る上で重要だと思います。

FIREのような自由な生活をしていれば、
その生活の中で新たな選択肢が増えることもあります。

また、
逆に「結婚」や「起業」などにより、
人生の選択肢が減るイベントも多々あるでしょう。

そのように増減しながらも、
自分にとって「適切な選択肢の数」を保ち、
「選択肢が1つしかない地獄」も「自由の刑」も回避できたら理想的だと思います。

私もこれから、
自分にとって「適切な選択肢の数」を探し、
その数を保ち続けていくつもりです。

まとめ:「選択肢を減らす」という選択を下せること自体が幸せ

以上、
「サイドFIREの葛藤:選択肢が多すぎて自由の刑に処せられている」についてでした。

まとめです。

ーーーーーーーーーー

「自由の刑に処せられている」哲学者サルトルの言葉
 →「自由とは、選択肢が多いことだ」は誤りであった

選択肢と自由について
 ①マシュマロテストの再現実験

 →選択肢が少ないこと、特に「選択肢が1つしかない」というのは言うまでもなく地獄
 ②ジャムの法則(ジャム理論)

 →選択肢が多すぎるのも問題であり、人生における自由度が高すぎるのも問題
 ③7±2の選択肢がベスト
 →常に7±2(5~9)個くらい持っておくことが、幸せに生きるコツ
 ④医療における選択
 →パターナリズムとインフォームド・チョイスの中間のインフォームド・コンセントが最適
 ⑤「自分の人生の主導権を握っている」という感覚が超重要
 →「コントロール感」が重要であり、生殺与奪権だけは死守する必要がある

「自由の刑」を打破する方法
 ①若いうちは出来る限り選択肢を増やす

 →人生の主導権を握るため、人生の可能性を広げるため、まずは選択肢を増やす
 ②要らない選択肢を潔く捨てる

 →選択と集中により、人生は豊かになる
 ③自分にとって「適切な選択肢の数」を保ち続ける

 →「選択肢が1つしかない地獄」も「自由の刑」も回避できたら理想的

ーーーーーーーーーー

結局、
「自由の刑」のネガティブな面よりも、
ポジティブな面の方が目立った気がします。

間違いなく、
「自由の刑」は超贅沢で嬉しい悩みです。

「自由の刑」に処せられ、
「選択肢を減らす」という選択を下せること自体が、
幸せであることに気が付きました。

人生の選択肢は増やすことはとても難しいです。

特に、
歳をとってから増やすのは至難の技でしょう。

一方、
人生の選択肢を減らすのは簡単です。

少しだけ、
「もったいない精神」が邪魔をするくらいです。

マシュマロテストで、
「選択肢が1つしかない」恵まれない子供のように、
常に1つの選択肢がない人生は、
間違いなく地獄です。

他人に生かされ、
他人の人生を生きているのも同然です。

「自分の人生の主導権を握っている」という感覚が超重要であり、
生殺与奪権だけは死守する必要があります。

「自由の刑」を、
大いに楽しんでいきたいと思います。

※一緒に楽しんでくれる仲間を募集しています

その他、
「サイドFIREの葛藤」シリーズの記事を沢山書いています。

※是非読んでみてください

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