【説得失敗事例からの教訓】脱洗脳に失敗した5例

③『正義の味方ごっこ』の裏話

はじめに:50勝5敗

私の『正義の味方ごっこ』における説得活動・脱洗脳の結果は、
50勝5敗です。

投資必勝法を盲信する人達の洗脳を解く説得活動において、
50回成功していますが、5回失敗しています。

比較対象がないのでなんとも言えませんが、
私なりに説得・脱洗脳に関してのPDCAサイクルを回し続け、
都度改善を行っていたため、高い成功率だと自負しています。

しかし、失敗は避けられませんでした。
説得・脱洗脳の失敗は非常に心が痛みます。

その手痛い失敗体験について、
私なりに共通点を探しました。

『後悔回避バイアス』も手伝い、
「活動歴が長いほど」「子会員の数が多いほど」説得・脱洗脳が難しくなる傾向はありましたが、5事例全てに共通する項目はありませんでした。
それぞれが異なる問題を抱えていました。

※『後悔回避バイアス』
後悔というものは強い認知的不協和(自分の中の認識や思考の対立・葛藤、不快感)をもたらすため、無意識に後悔しないような意思決定をしてしまいます。

後悔により認知が歪み、
悪徳業者の良い面しか見られなくなってしまう現象です。

56万円という大きな出費や学生ローンの借金、
過去の全ての活動に費やした時間の無駄を認めるには相当な勇気が必要なため、
「56万円も払ったし、絶対に勝てる投資DVDに決まっている。」
「今まで活動に多くの時間を費やし、日々勉強しているのだから、絶対に素晴らしい集団に決まっている。」
といった思考に至っている被害者が多く居ました。

活動期間が長くなればなるほど、
後悔が大きくなるため、後に引けなくなってしまう傾向にあります。

また、
私なりに考えた別視点からの答えは、
別記事にまとめているのでそちらを確認して下さい。
参考:【被害者の共通点】脱洗脳できる人と、脱洗脳できない人(手遅れな人間)の違い

今回は、脱洗脳に失敗した5例について、それぞれを詳細に共有いたします。
しくじり先生のように、失敗から学んでいきましょう。

これから説得・脱洗脳を行う人達の教訓となれば幸いです。

失敗事例

田代

〈基本情報〉
活動歴:1年以上
子会員:6名
主な失敗要因:コンプレックス

第六章:脱洗脳の連鎖、組織壊滅へにも記載した通り、
本人と直接会うことができず、両親へ告げ口をする形で説得を行いましたが、
それでも辞めることはありませんでした。

田代の母親に聞いた話ですが、
田代は兄が非常に優秀で、常に比べられ、コンプレックスを抱えて生きていました。

田代自身も勉強を頑張り、国立大学へ進学しましたが、
それでも兄に負け続けていました。

ここからは私の推測ですが、
絶対的に強い兄に勝つため、1つ大きな特殊能力を手にする必要があったのかもしれません。

悪徳業者は、
被害者に対して『楽して稼げる』特殊能力を授けようとします。

田代はこの悪徳業者に出会い、
『収入・財力』で兄に勝つ道を見出し、
勧誘に躍起になり、後戻りできないほどにハマってしまったのだと思います。

第一章:人生初の詐欺の勧誘被害、地獄の始まりにも記載した通り、
私に対しても必死になって勧誘を行い、
高価なブランド物を見せつけ、『収入・財力』を誇示してきました。

しかし、実際のところは、
『投資必勝法』で勝てるわけがなく、
1年以上必死に勧誘活動を行い、推定70万円(6名の勧誘成功60万円+Bトレへの昇格10万円)を得ただけでした。

その『収入・財力』は虚構でした。

地道に時給800円のアルバイトをした方がマシであったという、悲しい現実です。
おまけに、借金60万円を抱えているため、大きすぎるマイナスです。

このような『見栄』は、
大きなコンプレックスの裏返しだと私は考えています。

後日、『見栄』や『欲』に関して別記事を書く予定です。
参考:【見栄っ張りに注意!】欲は身を滅ぼすという話

田代の母親が涙を流しながら、
「もっと優しく育ててあげれば良かった」と言っていた姿は、
今でも忘れられません。

劣等感によるコンプレックスも、
悪徳業者が狙う心の隙間となる

金田

〈基本情報〉
活動歴:1年以上
子会員:5名
主な失敗要因:コンプレックス

第六章:脱洗脳の連鎖、組織壊滅へにも記載した通り、
本人に対して4人がかりで説得しましたが、
金田は「この組織で絶対に成功して食っていく」と宣言し、
辞めることはありませんでした。

金田は中学時代まったく冴えず、コンプレックスの塊のような人間でした。
中学校時代の私は比較人間だったので、心の中で「金田より俺の方がマシだ」と思っていました。
多分、同レベルであった彼も私と同じことを思っていたでしょう。

中学校卒業以降も、
私と同様に冴えない人生を送っていたのだと思います。

金田を説得した際、金田は部外者である私に対し、
「お前は俺の成功の邪魔をするな」
「なにも知らない部外者が引っ掻き回すな」
などと、切実な思いをぶつけてきました。

おそらく、
金田はこの悪徳業者に出会い、
生まれて初めて輝くことができたのでしょう。

対する私も、
この『正義の味方ごっこ』で人生初の生きがいを見つけました。
人生で初めて努力し、とても充実した日々を過ごしました。

一歩間違えれば私と金田は逆の立場だったと思います。

だからこそ、
落ちぶれていった金田を見て、
「俺がこんな間抜けな醜態を晒さなくて良かった」
「犯罪者予備軍の金田とは真逆で、俺は正義の味方になれる」
と、心の底から安堵していました。

性格が悪いですが、
私はこの運命・この世界線に心から感謝していました。

『コンプレックスを抱える冴えない人間』に対する、
『生まれて初めて輝ける場所』の誘惑はとてつもなく大きいものです。

金田と同様、『コンプレックスを抱える冴えない人間』だった私には、
金田が後戻りできなくなってしまった理由が分かる気がします。

金田は、数少ない友人と縁を切ってでも、
悪徳業者に残ることを決断しました。

コンプレックスの塊にならないよう、注意

2013.10.26の親会員

〈基本情報〉
活動歴:1年以上
子会員:10名
主な失敗要因:子会員の責任問題

第八章:行政・報道機関への情報提供、祝・行政処分にも記載した通り、
本人に対して4人がかりで説得しましたが、
辞めることはありませんでした。

この事例の要因は非常にシンプルで、
「子会員の責任問題」だったと考えています。

子会員が10名と非常に多い会員でした。
この子会員たちの責任問題が、彼を後戻り出来なくさせました。

私が説明した違法性についてしっかり理解し、
この悪徳業者が行政処分を受ける未来も想像できていたにも関わらず、
辞める決心をつけることができませんでした。

本人は「子会員に借金を残すのが耐えられない」という言葉を使っていましたが、
ただの責任逃れです。

厳しい言い方をしますが、
彼は最も愚かな選択をしたと考えています。

自分の過ちに気付いたのであれば、
『子会員全員に誠心誠意謝罪すること』が最善の選択肢であることは誰の目にも明らかです。

自分の取るべき責任から目を背け、
そのような誠実な対応も出来ないのであれば、
その後の人生での成功もないでしょう。

これでは、
たったの10万円で、1つの友情を売ったようなものです。

たったの100万円で、10人の友人と、それ以上の大きなものを失いました。

彼は、全ての子会員を見捨てて縁を切り、
悪徳業者に残り、活動を続ける選択をしました。

取るべき責任が取れるかどうかで、
人間の真価が問われる

女性会員

〈基本情報〉
活動歴:6ヶ月
子会員:3名
主な失敗要因:投資必勝法への異常なまでの執着

悪徳業者を潰した話』では紹介していない事例です。

ある日、悪徳業者の女性会員から勧誘を受けた相談者(女性)から依頼を受け、
私と相談者の2人で女性会員の説得を行いました。

活動歴もそこまで長くなく、
子会員も多くなかったため、
すんなり説得は成功すると考えていました。

しかし、
私が説明した違法性についてしっかり理解し、
この悪徳業者が行政処分を受ける未来も想像できていたにも関わらず、
彼女は投資必勝法への異常なまでの執着がありました。

初めて違法性を知り、非常に困った表情をしながらも、
「詐欺でも良いから、この投資必勝法DVDの手法で投資を続ける」
「投資必勝法DVDの手法を使い続けるためには退会することはできない」
「違法性があることは分かったから、これ以上勧誘は行わない」

と宣言し、辞めることはありませんでした。

私は『投資必勝法DVD』の中身に関しては、
全く確認を行っていませんでした。

「投資必勝法など存在するわけがない」と思い、
確認するだけ時間の無駄だったためです。

投資必勝法を証拠を用いて否定できなかったため、
私の準備不足といえば、準備不足です。

しかし、私が『稼げない証拠』を数字で示したところで、
今後はその数字の信憑性を疑われたことでしょう。
それほどまでに、彼女は投資必勝法へ執着していました。

「詐欺でも良いから、この投資必勝法DVDの手法で投資を続ける」という、
想定外の要因で説得に失敗したことは、
私にとって非常に悔しかったです。

過去に何度も言っていますが、
『投資必勝法』など、『他人が作ったモノに賭けること』は挑戦でも何でもありません。

女性会員は相談者と縁を切り、
悪徳業者に残り続けて投資を続ける選択をしました。

『投資必勝法』という幻想への依存は恐ろしい

男性会員

〈基本情報〉
活動歴:2ヶ月
子会員:1名
主な失敗要因:上位会員への強い依存、コンプレックス

悪徳業者を潰した話』で紹介していない事例です。
解説4:洗脳を解くコツ、詐欺の勧誘を受けたらどうしたら良いかの「説得は初回に魂を込めろ!」の項で少しだけ話した内容です。

ある日、悪徳業者の男性会員から勧誘を受けた相談者(男性)から依頼を受け、
私と相談者の2人で男性会員の説得を行いました。

男性会員の第一印象は「金田にそっくり」でした。

相談者からも「非常に流されやすい」「コンプレックスが強い」と事前情報を聞いていましたが、
会って話してみると想像以上に冴えない子でした。

当日の説得はすんなりと上手く行き、
違法性についても理解を示し、本人の口から辞める意思を聞き出しました。
私に対しても感謝の意を示し、「尊敬します」「何でも手伝います」という言葉も受けました。

しかし、
私はここで少し油断してしまいました。
彼は想像を凌駕するほど、流されやすかったのです。

普段は消費者センターへ行く日程を早期に取り付け、
消費者センターへ行くところまで見届けていましたが、
依頼者に全てを委ね、「近日2人で一緒に消費者センターへ行くように」と促すだけで解散してしました。

後日、依頼者から連絡が来て、
男性会員から「やっぱり辞めない」と連絡があったことを知ります。

依頼者から、男性会員とのやりとりを全て見させてもらいましたが、
流されやすすぎるが故に、上位会員への強い依存が見られました。

私たちが説得した後、「組織を辞める」と上位会員に伝えたものの、
その後すぐに複数の上位会員からの説得を受け、再びそちらに寝返ってしまいました。

また、強いコンプレックスがあり、
「組織に絶対に変えてもらう」という、
他力本願の意気込みが見て取れました。

これは絶対に成功しない人間の特徴です。
参考:【絶対に成功しない人間の特徴】他力本願のくそったれ思考

相談者が「もう一度話がしたい」と言っても、
「中立な話し合いにしたいから必ず上位会員を連れていく」と言いました。

上位会員たちも、
必死に男性会員を守るように付きまとっていることが明らかでした。

結局、
相談者は流されやす過ぎる男性会員に幻滅し、
それ以上の説得は行わず、友達を辞めて終了となりました。

この件に関しては、私の油断と奢りもあったため、激しく後悔しました。
説得は一発で仕留め、消費者センターへ連れていくところまで完結させなければなりません。

「ギャンブル」にも「悪徳業者の内部者」にも
依存しやすい人間がいる

『主な失敗要因4つ』と『説得時の対処方法』

5つの失敗事例に見られた『主な失敗要因4つ』と、
それぞれに対する『説得時の対処方法』は下記の通りです。

コンプレックス

『説得時の対処方法:なし』

育ってきた環境や教育がベースとなるため、
説得時の具体的な対処方法は思い浮かびません。

コンプレックスに関しては、悪徳業者がつけ込む要因の1つです。
説得時の対処方法はありませんが、教育段階において予防することは可能だと考えています。

後日、別記事で詳細に記載する予定です。
参考:【心のスキマに注意!】悪徳業者はコンプレックスにつけ込む

子会員の責任問題

『説得時の対処方法:親会員と子会員における話し合い』

親会員からの気持ちのこもった謝罪と、責任感のある行動があれば、
問題なく友情が回復し、悪徳業者を辞めるための手助けとなります。
逆に、謝罪も行動もなければ、友情は終了します。


今回の事例のように子会員が10名ともなると、
子会員全員に話をするのも大変で億劫となるため、責任放棄に陥りやすいと考えます。

投資への異常な執着

『説得時の対処方法:投資システムを完全に理解し、記録し続けた運用実績(投資必勝法ではない証拠)を提示する』

しかし、こんな馬鹿馬鹿しいことをする時間は勿体なく、コスパは非常に悪いです。
また、「投資必勝法は存在しない」と証明する数字を取ったところで、
被洗脳者にその数字を信用してもらえるかは疑問です。
時間の無駄となる可能性があり、得策ではありません。

上位会員への強い依存

『説得時の対処方法:説得は初回に魂を込めろ!』

解説4:洗脳を解くコツ、詐欺の勧誘を受けたらどうしたら良いかに記載した通りです。
洗脳が絡む詐欺においては、説得は一回きりのチャンスだと思ってください。
油断することなく、消費者センターへ足を運ばせるところまで必ず見届けましょう。
消費者センターまで行かせれば、問題ありません。

まとめ:5人の末路

正直なところ、
これら5つの失敗事例に関しては、
タイムリープをして何度試行しても成功しなかった可能性が高いです。

全ての事例において、
辞めなかった人間たちは、
「友人を失ってでも、大きな成功を夢見て悪徳業者に残り続けること」を選択しました。
各自が、それぞれ深い洗脳にかかっていました。

結果として、
彼らの所属する悪徳業者は『行政処分』という結末を迎え、
彼らの選択は誤りだったことが明らかとなりました。

しかし、
全ての事例において、
6年以上経った今でも、彼らが改心して友情が回復した話は1つも聞きません。

所属していた悪徳業者が行政処分を受け、
自分の選択が間違っていたことに気づき、
深く反省したとしても、
後に引けなくなった人間は元友達への謝罪もできないようです。

一度、完全に決裂してしまった友情は、
まるでガラスのように元に戻せないものです。

今現在、
彼らがどうしているかは何も知りません。

彼らの本名を検索しても何一つヒットしないため、
何か大きな事業を興し、彼らが目指した『成功者』になっている可能性はゼロです。

正直、生きているかどうかも分かりませんが、
今のところ『犯罪者』として悪い意味で有名になっていることもないようなので、
その点は良かったと思います。

悪徳業者に引っかかり、
たとえ後に引けなくなったとしても、
自分の誤りを認め、反省し、
しっかり謝罪ができる人間になってほしいと願っています。

もし、改心している被害者が見ていれば、
過去の友達への謝罪を行ってください。

今からでも遅くありません。

今度こそ、
正しい選択を下せることを願います。

岡山県倉敷市

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