第三章:圧倒的情報不足、苦悩の半年間

①悪徳業者を潰した話

第二章:詐欺の常套手口、新規詐欺に対する絶望 からの続き

22:40頃
断る間もなく、佐々木が田中を引き連れて家に来た。
二人の圧力に圧倒され、この時は自分から積極的に探ることが出来なかった。
二人の会話を聞き、様子を見る。

田中「この環境に入ってから、佐々木も変わったよな!今日のチャートもちゃんと見てるか?」
佐々木「(スマホを覗きながら)バッチリだわ!まだ俺はCMEしかできてないけど、今年中にFKもやってみせるわ!」
田中「FKは俺もまだだし、マジで難しいよ。石井さんは本当にすごいよな。こんな勝ち続けるシステムを開発して、56万という格安で売ることを許可してくれたんだもん。ところで、WARRENの待ち受け、田代からもらった?」
佐々木「もらってもう待ち受けに設定したわ!なんかこの環境の一員になれた気がして、モチベーションが上がるね笑」

正直、気持ち悪い。新興宗教か?

この手の勧誘は、宗教のような一面を持つ

そして、
時間も遅くなり、痺れを切らした二人が私に話しかけてくる。

田中「限定200しかないから、とりあえず早く啓太さんにDVDの取り置き電話しちゃいなよ。あまり遅い時間だと啓太さんにも迷惑かけちゃうし。」
佐々木「とりあえず、DVDの在庫がまだ残ってるか分からないから、今日なくなるかもしれないし、早く啓太さんに確認の電話した方がいいと思うよ!この瞬間に無くなるかも!」

どうやら、限定200個しかないDVDを確保するため、
DVDの取り置きの電話(以降、仮契約と呼ぶ)をしなければならないらしい。
それも、本人から直接電話しなければならないという。

本契約する気は全くなかったが、
・仮契約を決めたら佐々木と田中がそれぞれどのような反応をするか、直接見たい
・啓太の個人情報をGETしたい
という思いから、啓太の連絡先を聞き、仮契約の電話を決行。

ゆるせいぎ「夜分遅くにすみません。本日、佐々木の紹介でお話しいただいたゆるせいぎです。DVDの取り置き・仮契約をお願いしたいのですが、まだ在庫は残っているでしょうか?」
啓太「わかりました。まだ在庫あるので大丈夫です。これからよろしくね。」

啓太の反応は思っていたよりも薄く、一瞬で電話が終了。
マニュアル通りか?それとも、夜遅かったからか?

田中は仮契約の電話後、満足げな顔ですぐに帰る。
やっぱりこいつは契約のことだけしか考えず、間違いなく私のことをカモにしか思っていない。

佐々木は帰らず、
30分ほど2人で話し合い、30万円を学生ローンで借りる計画などをルーズリーフに書いた。

田中と佐々木は完全に違う。
でも、白か黒かは全く分からない。
田中は黒で、佐々木は白なのか?
決定的な違法性・問題も全く掴めない。

24:00 わけの分からぬまま解散、すぐに寝る。
とてつもなく疲れた。

2010.9.27
次の日、朝起きて携帯電話の発信履歴の確認。
登録したばかりの啓太の名前が残っている。
夢であって欲しかったが、昨日の地獄は全て現実であったようだ。

そして、改めてインターネットで検索するも、何の情報もない。
「まだ新しい悪徳組織で、問題が明るみになっていないだけか?」
「まさか、本当に素晴らしい組織なのか、、、?なわけないよな、、、?」
と、焦りと混乱。

中学校の同級生に相談しようと思ったが、
冷やかしで仮契約を行ったことや、捜査しようとしていることが内部者に伝わると計画倒れになってしまうため、下手に動かないことにした。

大学へ行き、A子(当時の彼女)に相談。
今後迷惑をかけてしまうかもしれない事も伝え、作戦を立てる。

一度本契約し、内部情報&投資必勝法DVDの内容を全て知った後、すぐにクーリングオフをする作戦を考えたが、
A子から「危険だ」と猛反対されたこともあり、やめることにした。

「借金計画を書いたルーズリーフが家族に見つかった。借金は絶対ダメだと言われた。」
と嘘をつき、仮契約のキャンセルをし、
佐々木の反応を見て、しばらく様子を見る作戦で行く事にした。

帰宅後、仮契約キャンセルの旨を佐々木にメール。
メール後すぐに佐々木から電話があった。

佐々木「大丈夫か?俺も資料の管理についてちゃんと伝えればよかった。今後は気をつけてくれ。とりあえず、啓太さんには俺から伝えておく。」

イラついたような様子は一切なく、心配してくれ、親身になってくれているように感じたが、
とにかく白か黒かを知りたかったため、家に呼び、会うことに決める。
佐々木が田中を呼びたがっていたが、「家のシビアな話だから佐々木だけが良い」と言い、断る。

23:30~佐々木が家に来て話す。

ゆるせいぎ「うちは代々借金にうるさくて、どうしても借金はできない。今すぐはWARRENに入れない。貯金がたまるまで厳しいが、借金さえしなければ何をやっても大丈夫。」
佐々木「それなら仕方ないな、、、金が用意できるのはいつ頃になる?」
ゆるせいぎ「定期試験の兼ね合いでバイトもフルでは入れないから、早くて半年後だな、、、申し訳ないが、待ってて欲しい。」

いつもどおり佐々木は優しく、私の意見を尊重して真面目に考えてくれている。

私がトイレに立っている間に、田中に電話をさせ、その内容を録音したが、
佐々木「ゆるせいぎはやむを得ないよ、俺は待つことにするよ。」
と、黒っぽい様子は全く見えない。

佐々木はどうも白っぽい。
嬉しいはずであったが、
『詐欺なのに佐々木は白』という、訳の分からない状況に頭が余計混乱した。
WARRENが素晴らしい組織である可能性もちらつく。

なす術がないため、とりあえずこの日は仮契約のキャンセルだけをして終了。
しばらく佐々木とは距離を置くことにした。

2010.10.10
約2週間が経ち、佐々木から会いたいと連絡。
何故か田代も同席で話したいという。
佐々木がそうくるのであれば徹底的に探ろうと思い、録音作戦を決意。

23:45、指定されたファミレスに行くと、2人はもう中に居た。
これは事前に作戦会議をされていると思い、アウェー感に少し焦る。

私は普通にパフェを1品頼むが、
佐々木と田代は『2品で500円となる商品』を2人で頼もうとして、
店員さんに却下されていた。
前はあれだけ稼いでいると言っていたくせに、それは嘘だということが丸見えだった。

金持ちアピールとは裏腹に、金欠な内部者たち

佐々木「やっぱりみんな借金してるし、どうにか親に黙って借金できないか?お前は30万だけだから一社からの借り入れだけで済む。限定200だから、半年後に残っているか分からない。誘った身としては、在庫がなくなって契約できないという最悪な事態だけは避けたい。俺は今のところお前しか誘ってないけど、入会するやつは最近増えてる。」

先日と打って変わり、田代に感化された佐々木が元気だ、、、ムカつく。

田代「俺みたいな生活してみたいと思わない?借金なんかすぐ返せて、こういうの買えるよ(腕時計チラリ)」

ファミレスでケチってる奴が何言ってんだよ。

二人が勧誘に必死なことから、
厳しい勧誘ノルマが存在する可能性が高いと思った。

田代があまりにも勧誘に必死な為、田代で遊ぶ。
適当な事を言いまくって、田代をおだて、内部情報を聞き出す。
田中と同じように田代もかなりボロを出してくれた。

田代「WARRENの中で、逃走中をやろうって企画立てててね、ハンター役のスーツもナントカのブランドの、オーダーメイドで揃えて、、、」

田代「前に啓太さんの誕生日でビンゴ大会やったんだけど、3等で10万円の高級マフラーが景品で当たって、最高だったね!1等は半端ない景品なんだけど、、、秘密だし教えられない。ヒントは、季節物!まぁ、入ってからのお楽しみだね笑」

田代「今度クルージングパーティーに行くんだけど、スペシャルゲストで芸能人の内山くんも来るって。あっ、スペシャルゲストは絶対内緒ね!今契約すればそれにも間に合うかもよ。参加人数には限りがあるし、入ってからの頑張りが必要かもしれないけど。」

田代「詳しくは言えないんだけど、俺はそろそろセミナーで講師もやるし、もうWARRENから報酬をもらってるよ。だからこういう生活もできる(腕時計チラリ)」

スペシャルゲストが内山くんって、、、笑
全てが疑わしいので、
ほとんどが嘘の設定だと思ったが、いろんな内部活動の情報をくれた。

腹痛い設定で、トイレに行きまくり、席を外したときの2人の会話を録音。

眉間を押さえたり、頭を抱えたりしてうつむき、悩んでいる演技を貫き通した。
田代の言動が面白すぎて、ちょいちょい笑ってしまうため、笑い隠しにもちょうどよかった。
『悩んでいる演技』は便利なので、とてもおすすめ。

結局、借金は丁重に断り、
翌年2月までにバイトで資金を貯めて、その後WARRENに入るという嘘の約束をした。

勧誘に必死だった田代は非常に悔しそうだった。
「今決断できない奴は絶対に後悔するね。1年後、5年後、大きな差になるから。この半年も大きな差になるから、絶対に後悔すると思うよ。」
と捨て台詞も吐き、みっともなかった。
正直、田代は救いようがなく、手遅れだと感じた。

帰宅後、録音を全て聞く。
佐々木が大学の友達を勧誘し、失敗したという情報を手に入れる。
私の前では「お前以外まだ勧誘していない」の一点張りだったため、このような小さな嘘がどうしても気にかかる。

未だに佐々木には恨みがあったが、
録音を聞いても佐々木は私について真剣に悩んでいるようであったし、
『騙してやろう』という態度も一切見られない。
やはり白っぽい。

しかし、このような怪しい勧誘を行い続けることは絶対に良くないことだけは分かる。
佐々木の周りから友達が消えることを危惧し、
「俺が半年後に限定200に入れるよう、どうか佐々木は俺以外の勧誘はしないで欲しい。」
と懇願メールを送る。
「おっけー!2月に待ってるぞ!」と返信。

翌年2月までに組織の問題が明るみになり、ネットで情報が出てくる事を祈るしかなかった。
それまで様子を見て待つことにした。

26:30帰宅。

2010.10~2011.2
佐々木とはたまにメールをし、2回だけご飯を食べに行った。
インターネットでWARRENの検索を続けるが、無駄足となる日々が続く。

私からは絶対に連絡はしないと決めていた。
少しずつ小さな情報を入手し、そのたびに「俺の為に勧誘しないで」とお願いした。

・デジカメを見せてもらったが、WARREN関連の写真が全く無かった。実際はセミナーなどなく、活動の実体は勧誘だけなんじゃないか?
・合宿大好きな佐々木が大学のサークルの冬合宿に行かない。やはり金が無いからか?
・「今日26万勝った」とメールが来たが、確実に嘘だろう。
などと色々推測するも、ネットで確信的な情報が一切出ないため、行動に移れない。

一向にインターネット上に被害者情報が出てこないため、
『本物かもしれない』という怖さもあり、他の人には相談出来ない状態が続く。

中途半端に周りに話をしたら、
途中でWARRENの内部者の耳に入り、全てが計画倒れになってしまう危険が大きかった。

唯一話をしてしまったA子にも、「佐々木とは距離をおいた方がいい」と言われ、
この話をすると怒るようになり、話さなくなっていった。
とにかく佐々木と縁を切って欲しそうだった。
価値観の違いが分かり、程なくして別れることとなる。

以上の理由からWARRENのことを忘れたくなっていたのだと思う。

この期間、
説得の役に立ちそうな書籍『金持ち父さん、貧乏父さん』『だましの手口』『大人のケンカ必勝法』だけ読んで備えたが、
組織の全貌が見えないため、それ以上踏み込んだ知識を入れるのも億劫となっていた。

定期試験という言い訳も使い、WARRENについて考えないようにし、逃げていた。

そして、定期試験終了後の2月28日の夜に佐々木と話し合いをすることに決めた。 
2月と設定していたが、出来るだけ時間を遅らせたかったため、最終日を指定した。

この時点で分かっている組織図は下記のとおり。

※何も進展していない。

第四章:被洗脳者の目、脱洗脳の苦悩 へ続く。

北海道登別市

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