今回は、
「大学生の国民年金保険料を親が払うこと、大きなデメリット」について書いていきます。
「子供の年金、誰が払うか問題」については、
いろんな意見があると思います。
「年収の高い、親が払うべき」
「成人しているのだから、本人が払うべき」
正直、
どちらの主張も正しいと思います。
本記事では、
学生納付特例制度を利用して実際に追納した私の経験を元に、
「親が払うことのデメリット」を中心に紹介します。
・「大学生の子どもの国民年金保険料を払うべきか?」と悩んでいる親御さん
・親が国民年金保険料を払ってくれないことにイラついている大学生
必見です。
〈この記事の対象者〉
・FIREやサイドFIREに興味がある人
・労働から解放されたい人
・今より自由に生きたい人
〈注意点〉
筆者の経験と考えを書いていきます。
共通点が多いほど参考になると思います。
〈筆者の特徴〉
30代前半、独身、超倹約家、元社畜、元薬剤師、ゆるいミニマリスト、賃貸暮らし(基本社宅で自己負担小)、負債ゼロ
本記事の構成は、下記目次の通りです。
はじめに:一番お得なのは、「親が前納する」
まず最初に、
「子供の年金、誰が払うか問題」について、
「合理的な解」は出ています。
一番お得なのは、
「親が前納する」です。
注)年金暮らし等、収入のない親御さんは除く
本記事では、
一般的な家庭※を想定して記載していきます。
※
◆親:50代でバリバリ働いている
→年収600万円以上
前納する余力あり
◆子供:20歳の大学生
→アルバイトをしているが、年金を払える余裕はない。
当然、前納する力はない
親が前納することで「保険料額の割引の恩恵」を受けつつ、
支払った国民年金保険料の全額はその年の「社会保険料控除として控除」することもでき、
大きな節税効果も得られます。
少し詳しく解説していきます。
「親の前納」vs「子供の追納」
まず、
「前納」と「追納」で大きな差が生まれます。
親が「2年前納」をすれば、
約15,000円も保険料は割引されます。
一方、
子供が学生納付特例制度を使って追納すれば、
割引されるどころか「加算額※」がかかることもあります。
※「3年以上遅れる部分」に対して1年経過するごとに月々数十円〜数百円加算されていく
「前納できる人が前納する」という選択は、
とても合理的です。
「親の節税効果」vs「子供の節税効果」
親が前納する場合でも、
子供が追納する場合でも、
どちらも「納付した年の」節税効果が得られます。
節税効果は、
「納付した年の」年収に依存します。
つまり、
親が前納すれば「脂が乗った50代の年収」、
子供が追納すれば「社会人2−3年目の年収」になります。
親が前納した方が節税効果が大きくなるケースの方が、
圧倒的に多いでしょう。
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以上の通り、
「前納vs追納」の観点からも、
「節税効果」の観点からも、
一般的に「親が払った方がお得」という答えは出ています。
私もこの事実を知った時、
「代わりに年金を払ってくれなかった父親」に対し、
少しだけイラつきました。
同じように思う人も多いと思います。
しかし、
そもそも、
「本人の年金」です。
学生とはいえ、
成人しています。
「お得かどうか」だけで選ぶのはナンセンスだと思います。
「可愛い子供のために」という優しさや、
「大学卒業までは面倒を見る」、
「親の義務だ」というプライドもあるかもしれません。
しかし、
私は自分の経験から、
本人の成長ためにも、
本人に追納させるべきだと思います。
私は「自分で追納する」という経験をし、
本当に良かったと思っています。
私の経験を元に、
その理由を解説していきます。
「親に年金を払ってもらった人」は何も知らない
私は、
学生時代の国民年金保険料約100万円を全て自分で払いました。
約40万円は大学生時代に前納し、
約55万円は社会人になってから追納しました。
自分で年金を払うことで、
たくさんの学びと経験を得ました。
「大学生の国民年金保険料は本人が払うべき理由」については、
別記事で詳しくまとめています。
私と同じく「自分で年金を払った同志」と知り合った時は、
ものすごく会話が弾みました。
同じ苦悩を経験しているおかげか、
金融リテラシーが高い傾向にあると思います。
一方、
「親に年金を払ってもらった人」はどうかと言うと、
何も知りません。
びっくりするほど、
何も知りません。
社会保障制度についても、
税金についても、
お得な税金の支払い方法についても、
何も知りません。
そもそも、
年金を払ったかどうかを知らない人すら居ます。
※自分で払った記憶がないなら親に払ってもらっていたのでしょう
もちろん「全員がそうだ」とは言いませんが、
間違いなくこの傾向は強く存在すると思います。
社長の子供、
医者の子供、
裕福な家庭に育った人間ほど、
親に年金を払ってもらい、
成長していません。
社長や医者の遺伝子を受け継ぎ、
優秀なはずなのに、
私よりも資産は少なく、
年収は低い人ばかりです。
親からの優しさ・愛情により、
「成長するための貴重な経験」
を失っているのと同じだと思います。
やはり、
経験というのは偉大です。
年金を払ってくれない父親にムカついた「悔しい思い」も、
煩雑な税金システムの理解に苦しんだ「苦しい思い」も、
追納の時期をミスった「やるせない思い」も、
全てが財産でした。
前述の通り、
一番お得なのは、
「親が前納する」選択肢です。
家計全体で考えれば、
数万円は得すると思います。
子供からすれば、
約100万円を親に負担してもらえたら「超ラッキー」です。
中には、
そのことを「親の義務だ」と当たり前に思い、
何の有り難みを感じない人もいるでしょう。
私が自分で払った約100万円分の国民年金は、
1,000万円分の価値があったと思っています。
小さな積み重ねですが、
社会保障制度を学ぶことで「ぼったくり民間保険」から身を守り、
インデックス投資の存在を知って複利効果を味方にし、
創意工夫して追納することで節税効果を得て、
お得な支払い方法によりポイント還元も得て、
その他の質素倹約も完全に身につきました。
私がこれまで作ってきた4,000万円の資産のうち、
リアルに1,000万円くらいは「自分で支払った年金」が持ってきてくれたようなものです。
以上より、
私は「国民年金保険料は本人が全て払うべきだ」と考えています。
まとめ:子供の国民年金を払わないことに罪悪感を感じる必要はない
以上、
今回は「大学生の国民年金保険料を親が払うこと、大きなデメリット」についてでした。
まとめです。
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はじめに:一番お得なのは、「親が前納する」
「親の前納」vs「子供の追納」
「親の節税効果」vs「子供の節税効果」
→どちらの観点からも、親が払ったほうがお得である
「親に払ってもらった人」は何も知らない
→自分で支払った約100万円の国民年金保険料は、
1,000万円くらいになって返ってきた
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色々書いてきましたが、
一番伝えたいのは、
「子供の国民年金を払わないことに罪悪感を感じる必要はない」ということです。
親が払うのが「一番お得」であるのは間違いありません。
しかし、
そのことで「払うことが義務」と感じてしまっている親御さんも多いと思います。
また、
親のプライドから、
「無理をしてでも払おうとしている」親御さんもいるかもしれません。
払うことは無理に止めませんが、
できる限り子供に払わせることをおすすめします。
それが確実に子どものためになるので、
罪悪感を感じる必要は一切ありません。
私も、
当時は「年金を払ってくれない父親」にムカつきました。
しかし、
今では感謝しています。
「子供の年金の前納」に使おうとしているその100万円は、
「今しかできない別なこと」に使ったほうが有意義です。
また、
この話は「与える教育」「与えない教育」と通ずる話だと思います。
別記事で詳しくまとめているので、
興味があれば読んでみてください。
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