【金は命より重い】経済的余裕がチャレンジ精神を削ぐ?【サイドFIREの葛藤】

②貧乏ごっこ

今回は、
「サイドFIREの葛藤:経済的余裕がチャレンジ精神を削ぐ?」についてまとめていきます。

私は30代前半で4,000万円の資産を作り、
サイドFIREのような生活をしています。

サイドFIRE生活の中では、
様々な悩みや葛藤があります。

悩みや葛藤は割とネガティブなものですが、
私なりにそれらをポジティブに転換しています。

・「経済的余裕」によりチャレンジ精神が削がれている人
・これからサイドFIREやFIREを目指す人

必見です。

サイドFIREへ向けた予習として参考にしたり、
共感していただけると嬉しいです。

〈この記事の対象者〉
・FIREやサイドFIREに興味がある人
・労働から解放されたい人
・今より自由に生きたい人

〈注意点〉
筆者の経験と考えを書いていきます。
共通点が多いほど参考になると思います。

〈筆者の特徴〉
30代前半、独身、超倹約家、元社畜、元薬剤師、ゆるいミニマリスト、賃貸暮らし(基本社宅で自己負担小)、負債ゼロ

本記事の構成は、下記の通りです。

「経済的余裕」が生み出すポジティブな面

まずはじめに、
「経済的余裕」が生み出すポジティブな面について解説します。

本記事は「経済的余裕」のネガティブな面を主題としていますが、
「経済的余裕」はポジティブな面のほうが圧倒的に大きいです。

至極当然の話ですが、
この資本主義社会において「経済的余裕」を持つことは、

「正義」とも呼ぶこともできます。

大前提として、
現代社会において「経済的余裕」を持つことは、

基本的にポジティブで良いことです。

そんな「経済的余裕」が生み出すポジティブな面について3つ挙げ、
詳しく解説していきます。

命を救う力を持つ

「経済的余裕」が無いことで失われる命があります。

厚生労働省から出された「令和5年中における自殺の状況」から、
情報を抜粋します。

・令和5年の自殺者数は21,837人(前年から−44人)

・うち「経済・生活問題」によるものが5,181人(前年から+484人)

「経済・生活問題」による自殺者が、
自殺者全体の23.7%を占め、
その割合は大きくなっていく傾向にあります。

「経済・生活問題」における具体的な要因としては、
「生活苦」が1,667人、
「負債」は全て合わせて1,924人。

直近のデータからも、
「経済的余裕」が無いことで失われる命があることが明確です。

かくいう私自身も、
「経済的余裕」により命を救われた経験があります。

社畜時代に過労死レベルで働き、
「酷いうつ状態」になった時の話です。

どん底の精神状態の中、
私を救ってくれたのが当時の資産「2,000万円」でした。

2,000万円あれば、
しばらく何もしなくても生きていける。

質素倹約の貧乏ごっこをしていれば、
25年以上働かなくても大丈夫。

とにかく、
今は働かなくても大丈夫。

「経済的余裕」が生み出したこの事実が、
私の心にどれだけの救いをもたらしてくれたことか。

「経済的余裕」がなければ、
私も衝動的に自殺を選択していたかもしれません。

「精神的余裕」にも繋がり、
あらゆる面での好循環を生み出すということです。

有名な「金は命より重い」という言葉は、
あながち間違いではありません。

「経済的余裕は命を救う力を持つ」と、
私は胸を張って言い切ることが出来ます。

人生の選択肢が増える

これも至極当然の話ですが、
「経済的余裕」ができることにより、
人生の選択肢が増えます。

資本主義社会における「経済的余裕」は、
人生の可能性の拡大に直結します。

買えるものが増える、
行ける場所が増える、
やりたい体験が出来るなど、
「お金が生み出す直接的なモノ」だけではありません。

「経済的余裕」が生み出す人生の選択肢として、
一番重要なのは下記の類の選択肢だと考えています。

「働かなくても良い」
「自分のやりたい仕事を選べる」

「経済的余裕」がなければ、
「生活のための労働から抜け出せない」

「やりたくない仕事に縛られ続ける」
といった地獄を味わい続けることとなります。

「経済的余裕」は、
そんな地獄から解放してくれます。

その代わり、
自由の刑に処せられることとなりますが、
私は自由の刑のほうが1万倍良いと考えています。

※詳しくは下記記事にまとめています

新しいチャレンジの機会が増える

「経済的余裕」があることで、
新しいことにチャレンジする機会が増えます。

前述の通り、
「経済的余裕」により健全なメンタルが手に入り、
人生の選択肢が増えることで、
チャレンジする機会が増えることは想像に易しいでしょう。

生活にゆとりが生まれ、
自分の時間も増え、
新しいことにチャレンジする「機会」は、

間違いなく増えます。

「機会」つまり「チャンス」が訪れる可能性が高くなり、
さらなる経済的な成功確率も高くなります。

※格差拡大の根源でもあります

問題は、
「このチャレンジの機会をどう活かしていくか」です。

ここから、
少しネガティブな本記事の本題に入っていきます。

「経済的余裕」がチャレンジ精神を削ぐ理由

「経済的余裕」によるポジティブな面について挙げてきました。

「経済的余裕」により健全なメンタルが手に入り、
人生の選択肢が増えることで、
チャレンジする機会が増える

良いこと尽くしのように見えますが、
そうとは言い切れません。

「経済的余裕」が生み出す唯一のネガティブな面として、
「チャレンジ精神が削がれる」があります。

「経済的余裕」によって手に入れた「チャレンジの機会」を活かせないという、
まさに葛藤です。

「経済的余裕」によってチャレンジ精神が削がれる理由を3つ挙げ、
詳しく解説していきます。

ベーシックインカムがあるから

まず、
サイドFIREやFIREを達成するような「経済的余裕」のある人には、
自分で作ったベーシックインカムがあります。

例えば3,000万円の資産をインデックス投資に回していれば、
超現実的な年利4%で計算しても年120万円、
月10万円のベーシックインカムが存在することとなります。

※含み益なので「潜在的なベーシックインカム」とでも呼びましょう

ベーシックインカムのある世界は、
各々が自分らしく生きることができるユートピアか?
人類を堕落させるディストピアか?

ベーシックインカムについて本気で考える上で、
避けて通れない問題だと思います。

実際に4,000万円という「経済的余裕」を手にした私の感覚では、
後者・ディストピアに近づくと考えています。

「経済的余裕」「潜在的なベーシックインカム」を獲得して以降、
チャレンジの機会は多いにも関わらず、
チャレンジ精神は身を潜めています。

今は毎朝5時に起きて活動しているものの、
いつ堕落してもおかしくない「脆さ」を感じています。

ただでさえ、
現行の生活保護においても数多くの問題が発生しています。

私も在宅医療に携わり、
数多くの堕落した生活保護受給者を目の当たりにしてきました。

「働かなくても生きていける」状態になった人間が、
リスクを背負って新しいチャレンジをするでしょうか?

人間は思っている以上に怠け者であり、
なかなか難しいと思います。

チャレンジしなくても生きていけるから

前述の通り、
「働かなくても生きていける」状態になった人間は、
チャレンジしなくても生きていけます。

そのままやりたいことをやりつづけて、
細々と楽しく生きていくことが可能です。

「経済的余裕」を得て、
自由な時間や人生の選択肢が増え、
新しいことにチャレンジする「機会」は、
間違いなく増えます。

しかし、
「チャレンジしなくても生きていける環境」で一歩踏み出すことが、

かなり難しいのです。

「経済的余裕」のある人に下記質問をします。

Q .参加料100万円で、①or②のどちらのゲームに参加しますか?
 
①100%の確率で200万円が手に入る(収支+100万円)

②1%の確率で1億円が手に入る(収支+9900万円)
 98%の確率で200万円が手に入る(収支+100万円)
 1%の確率で1億円を失う(収支−1億100万円)

おそらく、
ほぼ全員が①を選ぶと思います。

リスクを取ってスリルを味わうより、
100万円を獲得して今の生活を少しだけ良くする方向に進むことが有意義です。

「失いたくない」というマインドがあるのです。

現状維持バイアスに負ける

前述の通り、
「チャレンジしたい」という気持ちよりも、
「失いたくない」という気持ちが上回ります。

これを「現状維持バイアス」と呼びます。

変化を避けて現状維持を求める、
現在の状況よりも好転すると分かっていても行動できない心理傾向のことです。

長い年月をかけてコツコツ努力し、
資産を形成してきた過程があるからこそ、
より「失うこと」に敏感になっていくのだと思います。

人間の本能として、
止むを得ない性質でもあります。

以上のことから、
ベーシックインカムに「チャレンジングで活気のある世界」を作る力はないと考えています。

むしろその逆で、
「現状維持バイアス」に負け、
チャレンジする力を奪うことの方が多いと思います。

まとめ:チャレンジする必要がない状態でいかにチャレンジするか

以上、
「サイドFIREの葛藤:経済的余裕がチャレンジ精神を削ぐ?」についてでした。

まとめです。

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「経済的余裕」が生み出すポジティブな面
 ①命を救う力を持つ

 →「金は命より重い」という言葉は、あながち間違いではない
 ②人生の選択肢が増える

 →「働かなくても良い」「自分のやりたい仕事を選べる」という最強の選択肢
 ③新しいチャレンジの機会が増える
 →問題は、「このチャレンジの機会をどう活かしていくか」

「経済的余裕」がチャレンジ精神を削ぐ理由
 ①ベーシックインカムがあるから

 →3,000万円の資産があれば、月10万円のベーシックインカムがあるも同然
 ②チャレンジしなくても生きていけるから
 →「チャレンジしなくても生きていける環境」で一歩踏み出すことが難しい
 ③現状維持バイアスに負ける
 →「チャレンジしたい」よりも「失いたくない」が上回る

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「経済的余裕」のポジティブからネガティブまで、
それぞれをまとめてきました。

「経済的余裕」はポジティブな面の方が圧倒的に大きいですが、
それを台無しにしかねないネガティブな点もあります。

「チャレンジ精神を削ぐ」というのは、
大きな損失となりかねません。

「経済的余裕」によって手に入れた「チャレンジの機会」を活かせないという、
まさに葛藤の話でした。

「チャレンジする必要がない状態でいかにチャレンジするか」

「潜在的ベーシックインカム」の魔力に負けずに、
「現状維持バイアス」にも負けずに、
どうやってチャレンジしていくか。

私のこれからの人生における、
重大なテーマになってきそうです。

本記事の内容の延長として、
次回の記事では「経済的余裕」が生み出す「悪い安心感」について解説していきます。

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