今回は、
「薬剤師国家試験合格者に伝えたいこと:薬剤師1年目にやるべきこと」について書いていきます。
私が薬剤師国家試験を受けてから、
もうすぐ10年になります。
※時の流れが早すぎてビビっています
そろそろ薬剤師国家試験の季節なので、
少し早いですが「薬剤師1年目にやるべきこと」について、
私の後悔をベースにまとめていきたいと思います。
参考にしていただき、
充実した社会人生活をスタートしていただけると幸いです。
・薬剤師国家試験に合格した人
・薬剤師1年目にやるべきことを知りたい人
必見です。
〈この記事の対象者〉
・FIREやサイドFIREに興味がある人
・労働から解放されたい人
・今より自由に生きたい人
〈注意点〉
筆者の経験と考えを書いていきます。
共通点が多いほど参考になると思います。
〈筆者の特徴〉
30代前半、独身、超倹約家、元社畜、元薬剤師、ゆるいミニマリスト、賃貸暮らし(基本社宅で自己負担小)、負債ゼロ
本記事の目次は下記の通りです。
国試合格後、すぐにやるべきこと
以前、
「国試合格後、すぐにやるべきこと」という記事を書きました。
※以下、要点を抜粋して記載します
薬剤師国家試験合格後、すぐにやるべきこと
①青本を売る!
→まともな薬剤師であれば青本を読むことはない
②証券口座の開設(初任給からNISA積立開始)
→20代で2,000万円以上の資産を作ることも可能
③副業を始める
→守備力も攻撃力も持つ「強い個人」になる
④「資格に生かされない」マインドを作る
→「能力」に価値が付くと「資格」を捨てるという選択肢が取れる
この延長として、
本記事では「薬剤師1年目にやるべきこと」をまとめていきます。
薬剤師として働く上で、
「資格に生かされない人」になることが一番重要です。
本記事における「資格に生かされない人」の定義は、
「薬剤師以外の仕事をしても年収が下がらない人」とします。
これからのVUCA時代、
薬剤師以外の道を作っておかなければ詰む可能性が十分にあります。
「世の中には薬剤師以外の仕事の方が圧倒的に多い」という、
当たり前の事実を忘れてはいけません。
なお、
私が「やっておけば良かったな」と思う後悔を含めた、
私の経験に基づく私見になります。
あくまで個人的な意見ですが、
リアルなものとして参考にしていただけると幸いです。
薬剤師1年目にやるべきこと
「薬剤師1年目にやるべきこと」を5つ挙げ、
それぞれについて詳しく解説していきます。
※大手企業での経験がベースなので、
環境が違う人は部分的に参考にして下さい
基礎基本の徹底、キマリを守る
まずは当然の話ですが、
組織に配属されて報酬を受けている以上、
その環境における基礎基本は徹底し、
キマリ(本部からの指示)は全て守らなければなりません。
もちろん、
理不尽なことは”必ず”あります。
本部や上司からの指示に納得できないこともあり、
「こうした方が良いのに!」と不満に思うことや、
批判してダメ出ししたくなることも必ず発生します。
しかし、
現場にいる以上、
絶対に造反してはなりません。
また、
批判やダメ出しを口にするのもNGです。
批判やダメ出しは時期尚早であり、
自分の価値を著しく下げることにつながります。
私が初期のマネジメント研修で出会った、
重要な言葉を紹介します。
まだ豊富な経験を積み上げていない
あなたが思いつくことは、
すでに大勢の人が考えたことだと、
謙虚に思うべきです。
それでも、
そうしない理由があるのです。
まず、
「まだ豊富な経験を積み上げていない」
という当たり前の事実があります。
そんな未熟な人間の批判やダメ出しは、
実は管理職の会議の場において、
ずっと前から議論されています。
それでも、
あなたよりもずっと賢い人間たちが議論し、
あなたが想像できないような問題をキャッチした上で、
そうしない理由があるのです。
かくいう私も、
出世の過程で批判やダメ出しを口にしたことがあり、
今ではそのことを強く後悔し、
猛烈に恥じています。
私は出世を目指して猛烈に働き、
管理職に昇進するまでの2年半で「100の画期的なアイディア」を温めていました。
そして、
出世して管理職となった後、
初めての会議の場で”自分の無力さ”を痛感しました。
私が温めていた「100の画期的なアイディア」のうち、
97はすでにとっくに議論されていた話でした。
議論していてもなお、
それぞれに様々な問題があり、
実行されていないだけでした。
現場仕事しか知らない人間が考えるような「100の画期的なアイディア」は幻想であり、
私にとっては小っ恥ずかしい黒歴史です。
現場に居る以上、
”謙虚さ”を忘れてはならず、
批判やダメ出しは口にしないことをお勧めします。
キマリを作りたければ出世を目指す
そして、
薬局の現場仕事はつまらなくて退屈な仕事であり、
1年目は単純作業と雑用、
「対物業務」ばかりで尚更つまらないです。
特にチェーン店の調剤業務に関しては、
鑑査ルールや細かいマニュアルが設定されており、
非常に窮屈だと思います。
しかし、
現場にいる以上、
もちろんキマリを造反することは許されません。
現場にいた頃の私はこの窮屈さが耐え難く、
この苦痛から抜け出す突破口を見つけるべく、
調剤過誤に関して徹底的に勉強することにしました。
マルチタスクではなくシングルタスクを極めて淡々と作業をこなすことが前提で、
スイスチーズモデルに基づいて「完全実施できる”穴の小さな防護壁”」を作り、
コブラ効果を回避するために余計な独自ルールを加えない。
突破口を見つけるどころか、
勉強して理論的に考えれば考えるほど、
窮屈で息の詰まる「マニュアル業務」が正当化され、
自由度のない創意工夫の出来ない仕事に成り下がりました。
まるで仕事ではなく作業であり、
まさにロボットです。
特にチェーンストアであれば、
現場はキマリを徹底することに努めなければなりません。
これは間違いなく患者様の安全のための最善策であり、
そこには反論の余地すらありませんでした。
自分のちっぽけな欲求を満たすだけの身勝手な造反は、
尊い命を奪うことに繋がるのです。
キマリを守ることが窮屈であれば、
自分でキマリを作りたいのであれば、
自由度の高い創意工夫の出来る仕事をしたいのであれば、
出世を目指すほかありません。
現場でぬるま湯に浸り続け、
永遠と批判やダメ出しばかりする”社内評論家”にだけはならないで下さい。
2025年現在、
薬剤師は手堅く稼げる「守備力」の高い資格であるため、
これ以上「守備力」を磨き続ける必要はありません。
薬剤師以外の道を作るためにも、
「攻撃力」を養うためにも、
出世にチャレンジすることを強くお勧めします。
※「出世のすすめ」に関しては下記記事で詳しく解説しています
対物業務で圧倒的な成果を残す
「対物から対人へ」と言われて久しいです。
正直なところ、
「対物業務」は薬剤師でなくても出来る業務ばかりであり、
くだらない仕事です。
一方、
「対人業務」は問題解決能力やコミュニケーション能力が問われ、
薬剤師にしかできない業務であり、
専門性も問われる非常に重要な仕事です。
しかし、
対物業務が満足に出来てからでなければ、
対人業務を語る資格はありません。
「対物から対人へ」という言葉を都合よく捉え、
対物業務を蔑ろにしてマイペースで仕事をし、
会社の利益を貪り食い、
対人業務を盾にして自己満足に浸る薬剤師が一定数存在します。
利益に対して他人事で、
数字に弱い薬剤師が多いことにびっくりすると思います。
高い給料をもらいながら、
「医療において利益を考えるなんてけしからん!」と寝言を言い、
各種加算に非協力的で、
会社にぶら下がり続ける人間が居るのです。
1人で処方箋40枚を余裕で捌かなければ、
各種加算に積極的に協力しなければ、
会社のお荷物でしかなく、
話になりません。
会社からすれば人時生産性を上げることが利益に繋がり、
「くだらない」とされている対物業務も、
効率よく利益を上げるためにはとても重要な仕事です。
会社から給料を貰っている以上、
まずは会社の利益に貢献することを考え、
”真っ先にリストラされる存在”にならぬよう、
気をつけて下さい。
できればこの「くだらない」対物業務で”圧倒的な成果”を残し、
1日50〜70枚をこなす能力をつけることをお勧めします。
対人業務で「だけじゃない」を発揮
前述の通り、
対物業務が満足に出来るようになれば、
対人業務を語ることが許されます。
対物業務で”圧倒的な成果”を残すことが重要なのは、
対物業務において「既得権益」を獲得することが出来るからです。
当たり前の話ですが、
仕事が早ければどの薬局でも重宝され、
会社に大きく貢献することが出来ます。
社内のどこからも求められる人材になれば、
「既得権益」を獲得したも同然です。
※1年目で出来るのはここまでだと思います
そして2年目以降、
対物業務というくだらない「既得権益」を潔く捨て、
対人業務でも”圧倒的な成果”を残せば、
「だけじゃない」という最強の説得力を手にすることが出来ます。
※『「既得権益を捨てる」が最強の説得力を生む理由』に関して下記記事で詳しく解説しています
なお、
現場レベルの「かかりつけ薬剤師の獲得」などでは弱いです。
出世をして社内の対人業務拡大(各種加算の施策)に尽力する、
会社規模での在宅業務の拡大(新規施設の獲得)、
大学の客員研究員を兼務して学会発表をするなど、
出来るだけスケールの大きな仕事をお勧めします。
対物業務と対人業務、
どちらも欠かすことが出来ない仕事です。
2つの既得権益を獲得することにより「だけじゃない」を証明することができ、
出世にも有利に働き、
その後の人生の選択肢を広げると思います。
1年目で出来ることは限られますが、
この戦略の準備をしておくことをお勧めします。
多くの死に触れ、死と真剣に向き合う
1年目から在宅医療、
もしくは病院研修などに積極的に関わることをお勧めします。
そして、
出来る限り死に関わる、
緩和ケアの領域の仕事を選んで欲しいです。
薬剤師は医療従事者の中で死から遠い存在ですが、
若いうちに多くの死に触れ、
死と真剣に向き合うことを強くお勧めします。
医療従事者の特権でもあり、
人生に生かさない手はありません。
多くの死に触れることにより、
時間の価値が上がります。
死と真剣に向き合うことにより、
「今ここ」を生きることにつながります。
私がFIREを目指した理由の1つも、
多くの死に触れ、
死と真剣に向き合ったことでした。
時間の価値を上げ、
「今ここ」を生きることで、
間違いなく人生が充実します。
「一生薬剤師」が馬鹿馬鹿しく思えたりするかもしれません。
薬剤師以外の道を作るモチベーションにもなると思います。
※「メメント・モリ(死を想え)」関連について、下記記事で詳しく解説しています
まとめ:薬剤師以外の道を作る
以上、
「薬剤師国家試験合格者に伝えたいこと:薬剤師1年目にやるべきこと」についてでした。
まとめです。
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国試合格後、すぐにやるべきこと
→「資格に生かされない人」になることが一番重要
薬剤師1年目にやるべきこと
①基礎基本の徹底、キマリを守る
→謙虚さを忘れず、批判やダメ出しは口にしない
②キマリを作りたければ出世を目指す
→「攻撃力」を養うためにも、出世にチャレンジする
③対物業務で圧倒的な成果を残す
→効率よく利益を上げるためにはとても重要な仕事
④対人業務で「だけじゃない」を発揮
→出世にも有利に働き、その後の人生の選択肢を広げる
⑤多くの死に触れ、死と真剣に向き合う
→時間の価値を上げ「今ここ」を生きることで人生が充実する
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正直、
薬剤師はヌルゲーです。
2025年現在、
手堅く稼げる守備力の高い資格です。
しかし、
いつ紙切れ同然になってもおかしくありません。
薬剤師以外での収入がなければ、
2年ごとの調剤報酬改定にストレスを感じて怯え続け、
国に文句を言い続ける運命です。
資格が紙切れ同然になったときに路頭に迷ってしまうような、
「資格に生かされる人」ほど滑稽なものはないと思います。
私も約500薬局の上場企業の管理職を経験しましたが、
「薬剤師を辞めたら給料が半分くらいになりそうな人」を多数見てきました。
大した仕事をせずとも年収600万円が貰えるので、
長年ぬるま湯に浸かり、
向上心が全くないのです。
そうならないためにも、
危機感を持って全力で出世することを強くお勧めします。
少しでも参考にしていただけると幸いです。
「薬剤師叩き」に対する予習として、
是非この記事も読んでください。
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