【豊かさと貧しさ】貧すれば鈍する 鈍すれば窮す 窮すれば通ず【サイドFIREの葛藤】

②貧乏ごっこ

今回は、
「サイドFIREの葛藤:貧すれば鈍する 鈍すれば窮す 窮すれば通ず」についてまとめていきます。

私は30代前半で4,000万円の資産を作り、
サイドFIREのような生活をしています。

サイドFIRE生活の中では、
様々な悩みや葛藤があります。

悩みや葛藤は割とネガティブなものですが、
私なりにそれらをポジティブに転換しています。

・「豊かさ」と「貧しさ」について考え、悩んでいる人
・これからサイドFIREやFIREを目指す人

必見です。

サイドFIREへ向けた予習として参考にしたり、
共感していただけると嬉しいです。

〈この記事の対象者〉
・FIREやサイドFIREに興味がある人
・労働から解放されたい人
・今より自由に生きたい人

〈注意点〉
筆者の経験と考えを書いていきます。
共通点が多いほど参考になると思います。

〈筆者の特徴〉
30代前半、独身、超倹約家、元社畜、元薬剤師、ゆるいミニマリスト、賃貸暮らし(基本社宅で自己負担小)、負債ゼロ

本記事の構成は、下記の通りです。

「貧すれば鈍する 鈍すれば窮す 窮すれば通ず」について

まず、
「貧すれば鈍する 鈍すれば窮す 窮すれば通ず」という言葉について解説します。

①貧すれば鈍する
「貧乏すれば、精神の働きまで愚鈍になる」

②鈍すれば窮す
「精神の働きが鈍くなれば、行き詰まる」

③窮すれば通ず
「事態が行き詰まって身動きがとれなくなると、
かえって思いがけない活路が開けてくるものである」

ネガティブから入り、
最終的にポジティブで終わる、
後味の良い言葉だと思います。

私はサイドFIRE生活に入り、
「豊かさ」と「貧しさ」について思考していた時、
この言葉を知りました。

言わんとすることは分かりますが、
個人的には疑問に思うことが多い言葉でした。

3つのプロセスを「一方通行」で論じるが故に、
少し強引で雑であり、
希望的観測の強い言葉だと思っています。

本記事においては、
「貧すれば鈍する 鈍すれば窮す 窮すれば通ず」という言葉に対し、
批判的な切り口でまとめていきたいと思います。

「貧すれば鈍する」「鈍すれば窮す」「窮すれば通ず」という3つのプロセスに分け、
解説していきます。

そもそも「貧すれば鈍する」は正しいのか?

そもそも、
初っ端の「貧すれば鈍する」は正しいのでしょうか?

「貧乏をすれば精神の働きまで愚鈍になる」

と言い切っています。

私は、
こう言い切ることは難しいと考えています。

「豊かさ」「経済的余裕」も、鈍する要因となる

過去の記事でも記載しましたが、
個人的には「経済的余裕がチャレンジ精神を削ぐ」と考えています。

つまり、
「豊かさ」「経済的余裕」も、
鈍する要因となるということです。

「働かなくても生きていける」状態になった人間が、
リスクを背負って新しいチャレンジをするでしょうか?

人間は思っている以上に怠け者であり、
なかなか難しいと思います。

私も今、
「経済的余裕」によって手に入れた「チャレンジの機会」を活かせないという、
この葛藤と闘っています。

貧乏をすればハングリー精神が芽生える

過去の記事でも記載しましたが、
個人的には「貧乏をすればハングリー精神が芽生える」と考えています。

「貧しさ」が大きなエネルギーを生み、
精神を研ぎ澄ますという説も十分にありえると思います。

逆に、
「豊かさ」「経済的余裕」は「悪い安心感」を生み、
鈍する要因となるということです。

この辺りの「豊かさ」と「貧しさ」のバランスは、
非常に難しいと思います。

「貧にして楽しむ」という言葉もまた正しい

また、
「貧にして楽しむ」という言葉があります。

意味は下記の通りです。

貧しい中にあっても、
天命に安んじて、
学問や正しい道などに楽しみを見い出して生活をすること。
 

君子の境地をいう。 

この「貧にして楽しむ」という言葉もまた正しく、
ポジティブに捉えるべき言葉だと考えています。

最低限のモノに囲まれて生きることで、
本当に大切なモノに気づくことが出来たりもします。

個人的には、
「貧乏ごっこ」と称し、

質素倹約を楽しむことを徹底しています。
※「貧乏ごっこ」シリーズとして多くの記事をまとめています。

以上より、
「貧すれば鈍する」

「貧乏をすれば精神の働きまで愚鈍になる」
と言い切るのは難しいと考えています。

「鈍すれば窮す」を否定することは難しい

中盤の「鈍すれば窮す」は正しいのでしょうか?

「精神の働きが鈍くなれば行き詰まる」

と言い切っています。

私は、
これを否定することは難しいと考えています。

「愚鈍であること」を肯定することは難しい

「鈍すれば窮す」を否定するとなると、
「鈍」「愚鈍」を肯定し、

「窮」から救う必要があります。

「鈍」「愚鈍」という言葉は、
ほぼ100%ネガティブな使われ方をすると思います。

特に「愚鈍」とは、
「知的な鋭敏さを欠いている、または知的な鋭敏さの欠如で特徴づけられる の意」
「判断力・理解力がにぶいこと。頭が悪くのろまなこと。また、そのさま。」などと、
酷い言われようです。

「愚鈍であること」を肯定しようと考えましたが、
私には難しかったです。

愚鈍であり、
精神の働きが鈍くなるということは、
「チャレンジしない」「行動しない」という消極的な決断を下すことが増えます。

また、
リスクの予見ができず、
あまりにも勝率の低い無謀なことをすることもあるかもしれません。

もちろん、
「チャレンジしない」「行動しない」という消極的な決断が功を奏する可能性もあり、
あまりにも勝率の低い無謀なことをすることが成功につながる可能性もあります。

しかし、
これらを無条件で肯定するのは、

あまりにも無責任だと感じます。

良い結果を得られた時は「ギャンブルに勝っただけ」の話であり、
あくまで結果論です。

このことは、
次の話にも繋がります。

「窮すれば通ず」は非常に脆く危険

最後の「窮すれば通ず」は正しいのでしょうか?

「事態が行き詰まって身動きがとれなくなると、
かえって思いがけない活路が開けてくるものである」

と言い切っています。

私は、
この思考は希望的観測にすぎず、

非常に脆く危険だと考えています。

「一発逆転」の圧倒的脆さ

私は、
「窮すれば通ず」から滲み出る、
「一発逆転」感が嫌いです。

「窮すれば通ず」からは、
「ギャンブル臭」がすると思います。

「窮すれば通ず」からは、
「投資必勝法」にすがるような他力本願なスケベ心が透けて見えます。

私は、
人生に一発逆転は不可能であり、
他力本願思考は絶対に成功しないと考えています。

窮地に陥った時、
「窮すれば通ず」という言葉を肯定したい気持ちもわかります。

確かに、
「事態が行き詰まって身動きがとれなくなると、
かえって思いがけない活路が開けてくるものである」
というケースもあると思います。

しかし、
良い結果を得られた時は「ギャンブルに勝っただけ」の話であり、

あくまで結果論です。

このような「一発逆転」にかける想いは圧倒的に脆く、
詐欺師につけ込まれる心のスキマにもなりうると考えます。

非常に危険な思考なので、
ポジティブに捉えるのは危険です。

まとめ:「人間万事塞翁が馬」という汎用性の高い言葉

以上、
「サイドFIREの葛藤:貧すれば鈍する 鈍すれば窮す 窮すれば通ず」についてでした。

まとめです。

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「貧すれば鈍する 鈍すれば窮す 窮すれば通ず」について
 →ネガティブから入り、最終的にポジティブで終わる、後味の良い言葉

そもそも「貧すれば鈍する」は正しいのか?
 ①「豊かさ」「経済的余裕」も、鈍する要因となる

 →経済的余裕がチャレンジ精神を削ぐ
 ②貧乏をすればハングリー精神が芽生える
 →「豊かさ」「経済的余裕」は「悪い安心感」を生む
 ③「貧にして楽しむ」という言葉もまた正しい

 →ポジティブに捉えるべき言葉

「鈍すれば窮す」を否定することは難しい
 ①「愚鈍であること」を肯定することは難しい

 →結果論を無条件で肯定するのは、あまりにも無責任

「窮すれば通ず」は非常に脆く危険
 ①「一発逆転」の圧倒的脆さ

 →人生に一発逆転は不可能であり、他力本願思考は絶対に成功しない

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「貧すれば鈍する 鈍すれば窮す 窮すれば通ず」という言葉は、
パッと見は正しそうに見えます。

ネガティブから入り、
最終的にポジティブで終わる、
後味の良い言葉だと思います。

しかし、
3つのプロセスを「一方通行」で論じるが故に、
少し強引で雑であり、
希望的観測の強い言葉です。

特にオチの「窮すれば通ず」は非常に脆く危険です。

このような「一発逆転」にかける想いは、
圧倒的に脆さがあるためです。

「物事は予測不可能である」という意で使われる言葉としては、
「貧すれば鈍する 鈍すれば窮す 窮すれば通ず」という言葉よりも、
「人間万事塞翁が馬」という言葉を推します。

「人間万事塞翁が馬」

人生における幸不幸は予測しがたいということ。

幸せが不幸に、不幸が幸せにいつ転じるかわからないのだから、安易に喜んだり悲しんだりするべきではないというたとえ。

この言葉の方が汎用的で現実的であり、
ポジティブに捉えられると思います。

ネガティブもポジティブも含めた双方向性であるため、
強引さも雑さもなく、
希望的観測もありません。

フラットな言葉であり、
非常に使いやすいです。

少しでも参考にしていただけると幸いです。

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