今回は、
近年話題となっている「空き家問題」について書きたいと思います。
最近、
田舎(北関東)にある空き家とその土地の権利が私に回ってきました。
私はそこで「空き家問題」について知り、
学びました。
この記事では、
「空き家問題」について私なりに調べた内容をまとめ、
実際に空き家の権利を所有する私の意見を述べていきます。
・現在、空き家を持っていて対応に困っている方
・将来的に空き家を所有する可能性がある方
・新築マイホームを購入しようか迷っている方
必見です。
〈この記事の対象者〉
・FIREやサイドFIREに興味がある人
・労働から解放されたい人
・今より自由に生きたい人
〈注意点〉
筆者の経験と考えを書いていきます。
共通点が多いほど参考になると思います。
〈筆者の特徴〉
30代前半、独身、超倹約家、元社畜、元薬剤師、ゆるいミニマリスト、賃貸暮らし(基本社宅で自己負担小)、負債ゼロ
本記事の構成は、下記目次の通りです。
はじめに:誰にも起こりうる空き家問題
最近、
田舎(北関東)にある空き家とその土地の権利が私に回ってきました。
私の父の実家が数年前から空き家となっており、
父が定期的に管理をしていましたが、
父の体調が悪くなり管理出来なくなってしまったためです。
「いずれ、この空き家の権利は自分に回ってくるだろうな、、、」
とぼんやり思っていましたが、
正直ずっと他人事でした。
不動産について無知だった私は、
空き家問題について知らず、
固定資産税の相場すら知りませんでした。
なので、
資産に転じる可能性があるかどうかも分かっていませんでした。
空き家問題について学び、
空き家はほとんどの場合「負債」で、
「資産」に転じる可能性は少ないことを知りました。
「資産」に転じることのない「負債」のため、
このように空き家は放置され、
社会的な問題となっているのです。
私と同じように、
空き家問題について「なんとなく意識」はしていても、
積極的に学んでいない人も多いことと思います。
しかし、
現在の日本に住んでいる以上、
空き家問題は他人事ではありません。
誰にも起こりうる問題です。
みなさんの親戚の家も、
余っていませんか?
今は空き家でなくても、
両親の実家(つまり祖父母の家)が将来的に空き家になる可能性があれば要注意です。
2019年4月26日に公表された「2018年住宅・土地統計調査の概数」によると、
全国の空き家数はおよそ846万戸、
全住宅に占める空き家の割合(空き家率)は13.55%だということです。
すでに「8軒に1軒以上は空き家」という現実です。
そして、
2040年には空き家率が40%になると言われています。
驚愕の数字です。
国も空き家対策を講じていますが、
日本の人口減少は避けられないため、
今後も多くの家が不要となるのは間違いありません。
また、
空き家の活用方法についての最適解は人それぞれです。
「空き家&土地の資産価値」や、
それぞれの「人生の価値観」によって取るべき行動は異なります。
個々に合った適切な選択ができるよう、
早いうちから空き家問題について知り、
学んでいくべきです。
私は空き家問題について学び、
「空き家問題の当事者になってから考えるのでは危険だ」と考えました。
より多くの人に、
より早く知って欲しいと願っています。
多くの人が、
空き家問題について理解せず、
空き家の存在を無視して、
新築マイホームを建て続けているためです。
新築マイホーム信仰の問題点についても次項で解説していきます。
まずは、
空き家が増えている背景について解説します。
なぜ空き家が増えているのか?
空き家が増えている背景について、
3つの要因について解説します。
新築マイホーム信仰
空き家が増えている1つ目の理由。
当然ですが、
「家が建ちすぎているから」です。
これは、
日本国民に植え付けられた洗脳教育「新築マイホーム信仰」の影響が大きいと考えられます。
戦後、
日本政府は一貫して新築マイホームを「景気刺激策」として利用してきました。
住宅の建築が景気刺激に手っ取り早く効くからと、
新築マイホームがバンバン建てられました。
「夢のマイホーム」などと煽り、
優遇税制などの政策で新築マイホーム信仰を後押ししてきた背景があります。
実際、
バブル崩壊前までは、
「住宅ローンを組んで家を買うこと」にそれなりのメリットがありました。
買った土地の値段が上がる可能性が高く、
一家の大黒柱の「終身雇用」が約束され、
昇進昇給を前提にローンの返済計画が立てられたためです。
そして、
一家の大黒柱はローンの返済のために尽くし、
残業にも転勤にも対応する都合の良い社畜となり、
源泉徴収により定年まで納税し続けて一生を全うするのでした。
まさに昭和までのステレオタイプな生き方です。
この労働者たちが、
日本の高度経済成長を支えました。
しかし、
平成のバブル崩壊後においてはこの常識は通用しません。
「終身雇用」も崩壊し、
大半の土地の価格は下落する一方です。
「古い常識」と考えなければなりません。
ところが、
不思議なことにこの新築マイホーム信仰は消え去っていません。
私が一時期住んでいた地方都市では新築マイホーム信仰がえげつなく、
まるで宗教のように、
20代で35年ローンを組む事が「常識」とされていました。
実際にその若者たちに話を聞いてみると、
空き家問題やローン問題について良く理解しておらず、
大きな闇を知りました。
新築マイホーム信仰の闇については別記事で詳しく書きたいと思います。
このように、
令和に入ってもなお、
新築マイホーム信仰が未だに残り続けています。
すでに大量の家が余っているにも関わらず、
新しく建てる人が後を絶たないため、
空き家問題は深刻化するばかりです。
今の時代に新築マイホームを購入しようか迷っている方、
検討の余地は大いにあると思います。
全国各地に、
すでに家と土地が大量に余っていることを忘れないでください。
少子高齢化、人口減少
空き家が増えている2つ目の理由。
こちらも当然ですが、
「少子高齢化で人口が減っているから」です。
「家の数」に対して「住む人の数」が減れば、
家は余り続けます。
空き家になる直前まで住んでいるのは、
ほとんどケースで「身寄りのない高齢者」です。
前述の新築マイホーム信仰の通り、
若い頃に長期ローンで購入したのは良いものの、
最終的に住む人が居なくなってしまうケースです。
新築マイホームを購入した時は、
「私たちが死んでも家は資産として残り、息子や娘に遺せる」と理想を膨らませていても、
35年もすれば時代は大きく変化します。
相続人である子供たちの価値観も変わり、
誰からも必要とされなくなるケースが目立ちます。
最も厄介なのは、
その子供たちも新築マイホーム信仰に毒され、
すでに持ち家を所有してしまっているケースでしょう。
しかも、
「空き家となった実家」の徒歩圏内に新築マイホームを所有している人も居ます。
これは流石に理解できません。
このように、
高齢者になってはじめて、
持ち家が「負債」であり、
「始末に困る代物」であることに気づく人が多いといいます。
相続人のことも考慮し、
新築マイホーム建設は慎重に行わなければならなりません。
現在も、
高齢者が一人暮らしをしている家が多数存在します。
今後、
引き続き住む人が居なければ、
その家は空き家となってしまう運命です。
住宅用地に対する固定資産税の減免措置
空き家が増えている3つ目の理由。
それは、
「住宅用地に対する固定資産税の減免措置」の存在が大きいためです。
つまり、
「家を取り壊すと税金が高くなるため、家を取り壊す人が少ないから」です
新築マイホーム信仰により家が増え、
少子高齢化で人口が減り、
「空き家の処分に困る相続人」が増えます。
そして、
空き家を処分するにあたり、
所有するのにかかる固定費が大きな問題となります。
実は、
「家が建っている土地」は、
「家が建っていない土地(更地など)」に比べてその固定費が安いのです。
「住宅用地に対する固定資産税の減免措置」といい、
専用住宅(自宅)や集合住宅(マンション等)が建っている土地に対しては固定資産税を最大1/6に減額する制度があります。
つまり、
老朽化した空き家でも、
その土地に「家が建っていれば」税金が非常に安くなるのです。
相続人が遠方に住んでいる場合、
誰も管理することができず、
そのまま空き家が放置されてしまうことが空き家問題の根幹にあります。
なぜ放置してしまうかと言えば、
「家を取り壊すことで税金が高くなるから」という理由が大きいでしょう。
取り壊すのにも大金がかかります。
大金をかけて、より高い税金を払い続けてまで、取り壊す気にはならないでしょう。
国の空き家対策
空き家問題に対して、
国が行っている対策を2つ紹介します。
空き家対策特別措置法(空家等対策の推進に関する特別措置法)
「空き家対策特別措置法」とは、
空き家により景観が損なわれたり、
衛生面・防犯面の問題を引き起こしたりする恐れがあるとして、
2015年2月に全面施行された法律のことで、
『空き家法』とも呼ばれています。
特定空き家指定による固定資産税アップ
市区町村の職員や委任を受けた建築士などによる立ち入り調査が行われ、
空き家が以下のような状態にあると判断された場合、
「問題のある空き家」として『特定空家』に指定されます。
『特定空家』に指定されるケース
・倒壊など著しく保安上危険となる恐れがある
・著しく衛生上有害となる恐れがある
・適切な管理がされていないことによって著しく景観を損なっている
・その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である
『特定空家』に指定された場合には、
勧告に留まらず、
命令として指導が行われ、
状況によっては過料が課せられる場合もあります。
また、
『特定空家』に関しては、
前述の「固定資産税の軽減措置」を廃止するための税制改正を行うことを示しました。
『特定空家』に指定されると、
土地の固定資産税が最大1/6となる減免措置が無くなるため、
固定資産税が大幅に(最大6倍)上がってしまいます。
空き家の固定資産税アップより、
空き家の放置を抑制する目的があります。
強制的な解体工事
前述の『特定空家』等に対する措置として、
『行政代執行※』が実施されることがあります。
※行政庁が、自ら義務者のなすべき行為をなし、又は第三者をしてこれをなさしめ、その費用を義務者から徴収すること
『特定空家』の所有者に対し必要な措置(解体、修繕など)をとるよう指導を行ってもそれを履行しない場合や、
期限内に完了の見込みがない場合などに『行政代執行法』によって強制的に解体工事される事があります。
そして、
この費用は空き家の所有者に請求されます。
このようなことにならぬよう、
所有者は空き家に対して対応せざるを得なくなります。
空き家バンク
『空き家バンク』とは、
所有者から売買等の希望のあった空き家の物件情報を地方自治体のホームページ上などで提供する仕組みのことです。
空き家の有効活用を通して、
移住・定住の促進や住宅ストックの循環利用を図ることを目的として、
運営されています。
売りたい場合・貸したい場合など、
『空き家バンク』に登録することで相手が見つかる可能性が高くなります。
逆に、
中古の家を買いたい・借りたい場合も活用すると良いでしょう。
空き家を放置するくらいであれば、
早めに各自治体の『空き家バンク』へ登録する事が望ましいです。
まとめ:これ以上家を増やさず、余っている家を大切にしよう
以上、
「空き家問題」についてでした。
誰にも起こりうる空き家問題について解説しました。
まとめです。
ーーーーーーーーーー
・なぜ空き家が増えているのか?
①新築マイホーム信仰
②少子高齢化、人口減少
③住宅用地に対する固定資産税の減免措置
・国の空き家対策
①空き家対策特別措置法(空家等対策の推進に関する特別措置法)
→特定空き家指定による固定資産税アップ
→強制的な解体工事
②空き家バンク
ーーーーーーーーーー
とにかく、
家が余っているのにも関わらず、
家を建てすぎだということです。
個人的には、
これ以上家を増やすことなく、
余っている家を大切にすべきだと思っています。
「新築マイホーム信仰の闇」については、
下記記事にまとめています。
コメント